栄養計算ソフトで現場混乱

栄養計算ソフトで間違った個人の栄養必要量を算出しているソフトがあります。もちろん、わんぱくランチではありません。

栄養計算ソフトから出力する帳票で、自治体や保育園の給食現場が大変混乱しています。

該当のソフトからは「個人別各栄養素の摂取範囲の一覧表」が出力されます。

たんぱく質の個人の摂取範囲を示したグラフを見て驚きました。食事摂取基準値であるRDE(推奨量)が個人ごとに示されているのです。

RDE(推奨量)の計算には年齢階級内のもっとも典型的な体位として決定されている「基準体重」が使用されていますが、このソフトでは間違って個人の体重を当てはめてRDE(推奨量)を個人別で算出してしまっています。また、エネルギー%で出力したたんぱく質の摂取範囲とRDE(推奨量)を帯グラフで表示しています。

**基準体重・・平成17年、18年国民健康・栄養調査における年齢階級別の体重の中央値

RDE(推奨量)は、ある集団において測定された必要量の分布に基づき母集団のほとんど人(97~98%)が充足している量として定義されています。この統計的な数値が個人ごとに変わるはずがないのです。

他にも、ビタミンAの目標量に範囲を持たせていて、この上限に「許容上限量」を使っていたり・・・。野菜等に含まれるβーカロテンの過剰摂取によるプロビタミンAの過剰障害は知られていないので、許容上限量を考慮したビタミンA(レチノール相当量)の算出にはカロチノイドは含まれていません。目標値の範囲に上限量を使うことはできません。

野菜はどんなに食べてもビタミンAの過剰とは関係ありませんが、「野菜の食べすぎで、ビタミンAが上限に近づいている!!」と思ってしまう人もいるでしょう。

皆さん、このようなことで混乱しているのだと思います。

アドムにも栄養に関する相談をたくさんいただきます。12月からはもう一人管理栄養士さんがわんぱくランチのサポート担当に加わわります。間違った知識をお伝えすることがないように、まじめに勉強しながらサポートしていきたいと思います。