日本特有の食材、“昆布”を使った料理をご紹介します。
京料理“木乃婦”の高橋さんは、
和食は「昆布を使う料理のこと」と言います。
食材が限られる国では、バター等の油脂でコクと風味を加えますが、和食は昆布のうま味成分、いわゆるグルタミン酸、アスパラギン酸という、ほとんどノンカロリーのうまみ成分(アミノ酸)で満足感を与えます。
昆布には、そのもの本来の雑味を除去し、野菜特有のえぐ味や苦味をやわらげ、品のある味に仕上げる力があります。豊富な魚介類、野菜類がある日本だからこそ、万能な昆布の必要性が生まれたとのことです。
昆布を上手に使って、子どもたちに“和食のおいしさ”を伝えましょう。
切り昆布を使った料理
日本料理では、昆布を出汁として使う場合と、昆布巻きのようにそのまま食べる料理があります。今回は、後者の「昆布そのものを食べる料理」をご紹介します。
▼さつま芋の煮物
この料理は、昆布の塩味でさつま芋の甘みが引き立ち、うま味でごはんが進むという、おすすめの一品です。献立にもう一品として加えると、和食で不足しがちなエネルギー量も無理なく増やすことができます。
- さつま芋 40g
- 刻み昆布 1g
- 油 1g
- しょうゆ 0.8g
- 砂糖0.3g
- さつまいもを角切りにする。
- 刻みこんぶ(切り昆布)を水でもどし、食べやすい長さに切る。
- 油で2のこんぶ、しょうゆ、砂糖を炒める。
- 少量の水、さつまいもを加えて煮て、さつまいもがやわらかくなったら火を止め、しばらくおいて味をしみこませる。
▼昆布の煮物
こちらは、砂糖、みりんを使わない煮物です。昆布の塩味でにんじんの甘みが際立ち、絶妙に味のバランスがとれます。こちらも、ごはんがおいしくなる一品。蒸物、焼き物に合わせるとおいしく食べることができます。口内調理を楽しみながら食べてほしい料理です。
- 刻み昆布 2g
- にんじん 20g
- ちくわ 4g
- ごま油 1g
- しょうゆ 0.5g
- 刻み昆布(糸昆布)を戻し、ざっくりと切る。
- にんじんをせん切りにする。
- ちくわを細切りにする。
- ごま油で材料を炒めた後、しょうゆを加えて煮る。
▼三色なます
最後は酢の物です。酸味が苦手な子どもがいますが、昆布を加えると味が“まろやか”になり、食べやすくなります。だいこんがおいしい冬に食べて欲しい副菜です。
- だいこん 30g
- にんじん 5g
- 刻みこんぶ 0.5g
- 水 3g
- 酢 3g
- 砂糖 1.2g
- だいこん、にんじんを3cm長さのせん切りにしてさっとゆでる。
- 刻みこんぶをゆでて食べやすく切る。
- 水、酢、砂糖で2をさっと煮て1を加えてなじませる。
まとめ
今回は、刻み昆布を使った副菜を3品ご紹介しました。
刻み昆布は、戻すだけで使えて、出汁を取ることなく、料理にうま味を加えることができる便利食材です。作りやすくて、おいしい!は給食にとって大切な要素ですよね。
エネルギーがなくても、美味しさをプラスできる「昆布」は、子どもたちの健康を将来にわたり支えます。昆布のおいしさがわかれば、日本の豊富な食材を存分に味わうことができ、食生活が豊かになります。油脂・砂糖に頼らずにおいしさを感じられるので、生活習慣病から遠ざかることにつながります。
子どもの食事研究所では、子どもに食べさせたい食材を、給食食材として便利に活用する調理法、料理をこれからも研究していきたいと思っています。ちなみに、今回ご紹介した煮物2品は、調味料を混ぜてスチコンにかけっぱなしで、簡単に作ることができます。わんぱくランチユーザーのみなさんには、また別の機会にスチコンの調理法をお伝えしたいと思います