3歳以上児と未満児の喫食量の差

多くの保育園では、3歳以上児と3歳未満児が同じ料理を食べています。煮物、汁などは一緒につくって配膳の時に分量を変えたり、和え物などの野菜類は材料の時点で分けて、切り方やゆで方を変えています。

同じ料理を提供する場合、3歳以上児さんの分量に対して、未満児さんに提供する割合を何%にしたらよいのか?という質問をよくいただきます。また、職員に対しても適正な提供量は?と聞かれます。

単純に食事摂取基準値から算出すると

3歳~5歳男子 1300kcal
1歳~2歳男子 1000kcal
20代女性 1950kcal (活動レベル2)

3歳以上児を100%とした場合、未満児の分量は77%ぐらい、職員さんは150%ぐらいということになります。

しかし、保育園では未満児の特性が考慮されています。

・未満児は一度に必要量摂取できない。
→「午前のおやつ」を提供し、喫食回数を増やしている園が多い。

・未満児は、睡眠時間が長く、活動時間の多くを保育園で過ごす。
→以上児に比べて保育所での栄養給与割合が高い。
以上児・・1日の必要量の45%(40~45%)を保育園で提供す
未満児・・1日の必要量の50%を保育園で提供する。

上記の結果、保育園では、昼食と午後おやつの未満児の分量は以上児に対しておよそ70%として、未満児だけに、午前中に100kcal程度をおやつを提供しています。午前のおやつの100kcalは「牛乳100mlにせんべいや果物」などが提供されています。。

しかし、最近は目標量の設定が保育園に任されているため、午前のおやつを提供しない保育園も増えています。

提供しない理由は
・午前の時間帯はおやつを提供するよりも、活動時間として使いたい。←午前中は未満児にとって一番活動しやすい時間
・昼食をしっかり食べてほしい。→午前おやつと昼食の時間が近すぎて、昼食が食べられない。

午前おやつを提供しない園は、保育園で提供する未満児の給与割合(1日の必要量に対する割合)を50→45%にして、以上児分量の75%~80%の量を未満児に提供しています。また、未満児が一度にたくさんの量をたべることができないことを考慮して、おやつに雑炊や野菜うどんなどしっかりとした食事を提供しています。

保育園での給与栄養目標量の設定は、個々の保育園に任されています。
園の目標量は、子どもたちの生活を観察し、提供回数、時間を含め、保育の中で考えていく必要があります。