先日、骨の健康に関する記事を書きました。その際にとっても驚いたことがあったのでお伝えします。
私たち栄養士の中では、カルシウム吸収率の常識は、牛乳>小魚>野菜。
カルシウム摂取に限って言えば、王様は「牛乳」であり、「野菜」はたくさん食べても吸収されないので、価値が低いとされています。
大学の教科書では、牛乳52.7%、小魚37.7%、野菜17.8%となっていました。
今回、私が驚いたのは、この根拠とされる研究の古さと、規模の小さいさです。
なんとこの研究は、1953年、昭和27年に被験者4人という調査から導きだされているものなのです。
その後、1998年に行われた調査では、平均で牛乳40%、小魚33%、野菜19%という数値になっています。しかし、この研究も被験者はたったの9人です。
野菜のカルシウムはシュウ酸カルシウムの状態で野菜内に存在すると吸収が悪くなることがわかっています。
シュウ酸の少ない野菜の吸収率を調べてみると、ケールでは吸収率が40.9%で、牛乳よりも高いという調査結果がありました。
「牛乳が一番!」とも言い切れないようです。カルシウムの吸収率についてはわかっていないことが多くありますが、骨の健康には、「牛乳の摂取」より「偏りのない食事と運動」の方が効果があることは間違いありません。
「骨には牛乳」と思わない方が、健康的な食生活になるような気がします。ご家庭には、カルシウムが大豆製品、野菜、海藻などに含まれることをお伝えしたいものです。