ビタミン強化米

わんぱくランチが避難所の栄養計算を行うために導入されました。避難所ではどのような食事が提供されるのか気になり、食事提供の計画の栄養参照量を見てみました。

成人
エネルギー 2000kcal
たんぱく質 55g
ビタミンB1 1.1mg
ビタミンB2 1.2mg
ビタミンC 100mg

(国立栄養研究所HPより)

これを見て、「たんぱく質55gでビタミンの栄養価を充足するのは厳しい??」と思いましたが、すぐに納得。食品構成例をみると「強化米」が使われていました。

強化米は、お米に混ぜて炊くだけで、ビタミン、鉄分、カルシウムを摂取できる米です。

強化米では「タケダの新玄」が有名です。お米10kgに新玄50gを入れると、玄米とほぼ同様の栄養価になります。無味無臭です。

戦後、栄養価の高い食品が不足していた時代には、配給米に混ぜられていたこともあったそうです。食物が豊富にあり、健康であれば、ビタミンB1の不足に陥ることはありませんが、ビタミンB1は、水溶性で体内に貯蔵することができないので、不足した場合は途端に不調になります。

ビタミンB1が不足すると消化器系と神経系に不調を起こします。

・身体に必要なエネルギーが作られなくなる。
→気力や注意力がなくなる。
→疲れる。
→イライラする。

・食べ物を消化できないため
→食欲不振
→消化不良
→便秘

神経系の不調としては、脚気が知られています。

強化米はビタミンB1を補うには大変貴重な食品なので、知っておくと便利です。スーパーでもお米売場に必ず売っています。

私が栄養士として強化米を使ったケースは、

・保育園で、障害によって、食べ物へのこだわりが強く現れ、米以外食べなくなってしまった園児に提供。
・介護施設で高齢者への栄養補給として毎食提供
・栄養指導で多数のアレルゲンを持つ園児にお勧め

手軽で低コストなので、とても助かります。