離乳食のエネルギー量(保育園)

ユーザーから離乳食のエネルギー量はどれぐらいを目安にする?と度々質問をいただきます。

食事摂取基準では、1日の必要エネルギー量はでていますが、ミルクを摂取する離乳期は、この値を単純に使うことができません。

順を追って、保育園での離乳食エネルギー給与量を計算してみます。

①各離乳期の1日のエネルギー必要量は男女の平均値とする。(2010年食事摂取基準より)
6ヶ月        625kcal
7.8ヶ月      625kcal
9.10.11ヶ月     675kcal
12~18ヶ月   950kcal

②次に、ミルクを除く離乳食からのエネルギー配分を調べました。
離乳食からのエネルギー配分  (厚生労働省心身障害研究班)
月齢 離乳食回数  配分比
06ヶ月  2     20%
07ヶ月  2     30%
08ヶ月  2     40%
09ヶ月  3     60%
10ヶ月  3     65%
11ヶ月  3     70%
12ヶ月  3     75%
18ヶ月  3     80%
<06ヶ月を例にあげると、必要エネルギーの20%を2回の食事で、80%をミルクで補うということです。>

③離乳期4期の配分比(平均)を使って離乳食からのエネルギー量
6ヶ月       20%   125kcal
7.8ヶ月      35%   218kcal
9.10.11ヶ月     65%   438kcal
12~18ヶ月   78%   741kcal
< 計算例(6ヶ月) 6ヶ月児・1日のエネルギー必要量625kcal×離乳食エネルギー配分20%=125kcal>

④保育所の離乳食(1回分)のエネルギー給与量
6ヶ月          62kcal   (1回/2回)
7.8ヶ月         109kcal (1回/2回)
9.10.11ヶ月       146kcal (1回/3回)
12~18か月    370kcal (1日の50%)

離乳食1回の必要エネルギー給与量は、上記のようになりますが、乳児は個人差(摂食行動、成長、発育パターン)が大きいことから、これらの数値は、あまり役立つものではないようです。

厚生労働省のガイドラインでは、「○○をどれだけ食べなくてはいけない!」ということではなく、「離乳食は食事のリズムをつけ、生活リズムを整えてていくこと。またいろいろな食品の味や舌ざわりを楽しむ、食卓を楽しむ、手づかみ食べで自分で食べることを楽しむといったように食べる楽しさや体験を増やしていくことが重要。」となっています。

ただ、保育園で献立をたてる担当者にとって、何をどれぐらい!は必要なことです。

保育園では、厚生労働省のガイドライン【離乳食の進め方の目安】にあるように、給与エネルギー量ではなく、調理形態と、食品群(Ⅰ穀類 Ⅱ野菜・果物 Ⅲ魚、又は肉、又は豆腐、又は卵、又は乳製品)の目安分量で考えるとよいように思います。

同じ食品群に属する食品でも、栄養価にバラツキがあるけど本当によいのかしら?と思いがちですが、離乳期はとても個人差が大きく、「一口しか食べない~。」という子もいれば、「3倍食べちゃう~。」という子もいます。食べている量の評価は、成長曲線のグラフに身長、体重を記入して、成長曲線のカーブに沿っているかどかを確認していくことの方が大切のようです。