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参加型食育演習(出汁・みそ)
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こんにちは。子どもの食事研究所 所長の佐橋ゆかりです。
6月15日、東京都品川区民会館で、アドム主催の食育セミナーを開催しました。
今回は、「出汁」と「みそ」をテーマに、子どもたちが参加できる食育プログラムをみなさんと一緒に楽しく学びました。
子どもたちが健康的な和食に親しみ、日本の食文化を受け継いでいくためには、「出汁とみそ」のおいしさを知ることはとても大切なこと。みなさんの関心も高く、申し込みが多かった中、36名の方にご参加頂きました。
■出汁を伝える
出汁のうま味は、日本の食文化の特徴のひとつです。
出汁を使った和食は、私たちが子どもたちに伝えたい食べ方であり、アレルギーの原因になりがちな、乳や小麦を使用しなくてもおいしく食べることができる食事です。
第1部では、最初に、マルトモ株式会社の農学博士、松本先生からだしの種類、かつお節の製造工程などについて、映像を使って詳しく説明して頂きました。
私たちの知らない世界!!
海に囲まれた日本だからこそ生み出された「魚の節」。新しい製法、機械化が進んでいるとはいえ、それは昔からの方法に基づいたもの。昔の人の知恵は凄い!と感心しました。
演習では、まずはかつお節の削り体験。
削り始めると、かつおのいい香りが漂います~
年長さんなら、充分に出来そうです!
続いて出汁とり体験をしました。
保育園で、実践する時には、
「かつお節」や「削り節」を見て、聞いて、触って、においを嗅ぎ、だしの香りを楽しみ、味わうことになりますね。
・見る → 何だろう? 何色?
・触る・聞く →(節)硬くて、2本を合わせれば、コツコツ音がするね~ 。(削り)ふわふわだね~
・におい →魚かな?
・味 → どんな味?
という感じですね。
今回の体験でも、みなさんと一緒に五感を使って出汁取りを楽しみました。
■出汁の飲み比べ
また、今回の参加者は、調理担当者ということで、松本先生が、いろいろな出汁の素材(かつお削り、昆布、いわし削り、煮干し、さば削り)を準備してくれました。
6グループに分かれて、それぞれに違った出汁をとって、飲み比べ。素材によって風味に違いがあることは想像できますが、実際に飲み比べると、思っていた以上に大きな差があり、みなさん驚かれていました。
各グループでは、「出汁の素材を変えることで、料理がより引き立つのではないか!」と言うような活発な意見交換が行われていました。
また、体験がない出汁に対して、抵抗がある!と感じた方も多く、子どもの頃からの食体験が嗜好に大きな影響を与えている事を実感できたようです。
■みそまるをつくる
第2部では、みそまる普及委員会考案の、「みそまる」作り、みそ汁を味わいました。
こちらも、子どもたちの五感を刺激し、日本の伝統食材である“みそ”への関心を高めることを目的としています。
「みその塊を見て、子どもは何と言うでしょう?」
会場全員が同じことを思い浮かべて、みんさんにニヤニヤニヤ・・・(笑)
体験活動は、食育親子教室を想定したシチュエーションで進めました。
作り方は、とっても簡単!
<材料>
みそ10g 乾燥野菜2g程度 / 個
飾り→ごま、おぼろ昆布、かぼちゃの種、麩など
その他、ラッピング用品を準備します。
子どもたちは色、手触り、におい等を観察しながら、みそを丸めます。
今回は、長崎県のさざなみ保育園様での「みそまる」作り体験の様子(画像)を皆さんに御覧頂きました。
みそまる作りは、可愛く飾る楽しさもあります。
参加者のみなさんは、夢中になって楽しんでいらっしゃいました。
■参加者の声
今回のセミナーは、保育園での食育活動を想定して、実際に楽しく体験していただきました!
・基本的な「出汁をとる」ことを詳しく知れてよかった。
・出汁の試飲ができてよかった。
・素材による出汁の味の違いに驚いた。
・出汁の濃さ(色)と味の濃さがリンクしてないことを知り驚きました。
・今日教えてもらったポイントを意識して、明日からおいしい出汁をとります!
・実践的だったので、子どもへの声かけの方法を学ぶことができました。
・食育の目的を説明することの大切さを知りました。
・「みそまる作り」は園でやれそう!です。
・他園の食育の様子が聞けてよかった。
・体験型セミナー、とっても楽しみながら学ぶことができて良かったです。
・研修なのに楽しい!保護者セミナーでもこれが大事なのかな?と思える良い内容でした。
・「みそまる作り」大人がとっても楽しめました。子どもの想像力でどんなものを作るかが楽しみです。
■さいごに
アドムのセミナーでは、毎回、皆さんが積極的に園の実践について意見交換をしている光景が多く見られます。
話題は、食育から季節の料理について、厨房機器についてまで様々。
給食担当者の思いは、保育園という限られた環境の中で、安全でおいしい食事を作りたい!また、子どもたちが健康で生きるための食習慣の基礎を築くことができる食育を実践したいという思いです。
それを実現するための要素はたくさんあります。
低年齢児の子どもにとって一番大切なことは「食べる体験そのもの」ですが、今回行ったような食育活動は、保護者と一緒に“食をテーマに語る場をつくる”、また保育士、子どもと一緒に“食の楽しさを共有できる活動”だと思います。
これからも、子どもたちの正しい食習慣と味覚を育てるために、保育園でどんな料理を提供するのか!子どもの成長に合わせてどのような支援が必要なのかについて、みなさんと一緒に考えていきたいと思っています。