誰もが小さい時に注意されたことではないでしょうか?
子どもたちは、毎日の食事を通して噛む練習を積み重ねています。
下顎と歯、舌を使って食べ物を噛み砕き、
唾液と充分に混ぜ合わせ、
飲み込みやすい食物の塊(食塊)を形成する
保育園においても、「噛むこと」はとても重要視されていますね。
■噛む練習を上手にすすめるためには、、、
残念ながら、
全年齢層において
食べるだけで咀嚼力がアップ!
というような料理はありません。
こどもは、食物の特徴に応じて
・適切な一口量
・噛む強さ
・噛む回数
などの食べ方を変える練習をしています。
咀嚼力を養うためには、いろいろなものを食べることが大切ということですね。
給食担当者の方からは、給食が子どもの咀嚼機能の発達に合っているかどうかわからない。というお話をよく聞きます。
・飲み込まず口にため込む
・口から出す
・丸飲みする
こんな子がいたら要注意ですね。調理方法を検討する必要があります。
これを見逃さず対応していくためには、保育士さんとの連携が必須。
しかしながら、実際に食事支援をする保育士さんは、忙しい保育の中で
「早く簡単に食べて欲しい。」
「食べやすい料理を出して欲しい」
と思ってしまうことも・・・。
保育士さんの要望で、何でも細かくやわらかくしてしまっている!という保育園もあるようです。
■園の食育活動「カミカミ週間」
保育士さんを巻き込んで、「咀嚼力アップ」をすすめる方法として、
「カミカミ週間」を設けて園全体で取り組むというのはいかがでしょうか?
調理担当者は、保育士さんに「料理、調理の意図」をきちんと説明する機会を持つことができます。
以前、福祉施設で「咀嚼力アップ運動」をしたことがあります。
その時は、白米から順に
・白米(七分つき米)
・七分つき米
・七分つき米(麦入り)
・七分つき(発芽玄米入り)
と毎日お米を変えて、顎をしっかり使いながら、噛みごたえを確認しながら食べてもらいました。
初日から、「噛むとお米が甘―い」という声があがりました。
「七分つき米も噛んでいると白米と同じような甘さになる!」という感想もありました。
カミカミ献立は、
固い食材を使った料理ということではなく、
しっかり噛めるように
・やわらかく煮る
・繊維を断つようにきる
・食べやすい大きさに切る
など、工夫した料理であると共に、噛むことによって得られるおいしさを伝えることができる料理でありたいと思います。
咀嚼には味以外に得られる楽しさがたくさんあります。
・噛むときに得られる触感
・噛んでいる最中に感じ取ることができる臭い
・噛みつぶす際に得られる骨伝導音(シャキシャキ)
子どもたちが食事のおいしさ、たのしさを味わえるような食べ方を獲得するために咀嚼力を養う支援をしていきたいです。
■子どもの食事研究所では、、、
来年4月からの献立は年間食育目標に従った献立作成をする予定です。
今作成している6月献立の重点目標は「よく噛んで食べる」です。
・かじりとって食べるやわらか野菜
・もち米の入ったご飯
・カリカリ食べることができるスナップえんどう
・煮干しを使ったおやつ
・旬のごぼうを使った副菜
・白玉粉を使ったパン
など、いつもの料理を咀嚼というテーマでピックアップしてお伝えしたいと思い、試作に励んでいます。
子どもたちにとって食べることは「食育そのもの」です。
毎日の食事をたのしく、おいしく食べながら、望ましい食べ方、食習慣の基礎を築いてもらえるような給食作りをしていきたいと思います。