脂質の目標量

脂質は、私たちの細胞を作る重要な成分ですが、摂り方によっては、肥満症、動脈硬化症、がん、糖尿病等、疾病のリスクが高くなります。

脂肪のバランスのを評価する順番は、

①エネルギー産生栄養素バランス(%)が適正か

目標値20~30%
②n-3系脂肪酸の食事摂取基準値が充足できているか(g/日)

1~2歳 男0.7g 女0.8g
3~5歳 男1.3g 女1.1g
③飽和脂肪酸エネルギーバランスが7%以下か
④n-6系脂肪酸の食事摂取基準値が充足できているか(g/日)

1~2歳 男 5g 女5g
3~5歳 男 7g 女6g

これまでの日本の栄養管理は脂質(総脂質)に重きを置いて行われてきましたが、近年は生活習慣病予防の観点から、飽和脂肪酸由来のエネルギー量を下げることが推奨されています。(食事摂取基準2015)

下記に、食品の脂肪酸構成を示します。

脂質を健康的に摂取するための具体的方法は、
・主菜では、多価不飽和脂肪酸(下記図の緑色)を多く含むものを摂取します。

多く含む豆腐や魚を増やす。
少ない肉や乳を減らす

魚

・油では、飽和脂肪酸(下記図の橙色)を多く含む固形油(バター等)を減らし、不飽和脂肪酸(下記図の黄・緑色)を多く含む植物油を使う。
・植物油については、一価不飽和脂肪酸(下記の図の黄色)を多く含むオリーブ油を取り入れる。

油

飽和脂肪酸由来のエネルギー比は、成人では7%以下が目標値で、食事摂取基準の本文で「小児についても考慮すること」と記載があり、地域によっては保育園の栄養監査項目として取り上げられています。

嗜好が狭い乳幼児向きの献立は、
「食事摂取基準を満たすだけでも大変なのに・・・」

という思いはありますが、ここは給食担当者の腕の見せどころ!
子どもたちが生涯健康に過ごすことができる「食習慣」を築くために献立力、調理技術を駆使して工夫していきたいです。