誰もが一番最初に出会う味は、母乳の味。生まれた瞬間から食体験がはじまります。
さて、赤ちゃんに味はわかるのでしょうか?
赤ちゃんに甘み、酸味、苦味、うま味を体験させ、その反応を見た実験があります。
甘み → 穏やかな表情
酸味・苦味 →顔をしかめる
うま味 →穏やかな表情
この実験から、赤ちゃんはうま味を認識していることがわかります。
母乳のアミノ酸の成分の半数はグルタミン酸で、その量は、昆布だしのグルタミン酸とほぼ同量。
子どもにとって「うま味」は慣れ親しんだ「おいしい」と感じることができる味です。
こどもの食事研究所では、卵・乳を含まないアレルギー対応レシピを中心に開発しているため、
・おいしくないのでは?
・物足りなくない?
と思われがちですが、「うま味の相乗効果」を十分に活用することで、豊かな深みのある料理を提供できています。
<料理例>
たら(イノシン酸)×じゃがいも・とうもろこし(グルタミン酸)→白身魚のコーンポテト焼き
だいこん・きのこ(グルタミン酸)×煮干し(イノシン酸)→うま煮汁
子どもたちが最初に獲得する「うま味」への嗜好を大切にしながら、食体験を積み重ねていってもらいたいと思っています。