繰り返しによる嗜好の獲得

メルマガ・わんぱく食事通信!で【繰り返しによる嗜好の獲得】についてお伝えしたところ、たくさんのご質問をいただきました。

近年、保育園給食も、和食中心に変えていくことが求められており、多くの園が献立内容の見直しを行っています。

健康的な食事を増やそうと挑戦する中で
・子どもは「はじめての料理」を食べない。
・家庭で食べ慣れていない和食を苦手な子が多い
行き詰ることも多く、嗜好の獲得への関心が高まっているようです。

人間の嗜好は
・生得的
→生理的な欲求の嗜好・高栄養を求める嗜好
・後天的
→繰り返しによる嗜好・脱味覚的な嗜好
*参考日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方(厚生労働省)

メルマガでは後天的な嗜好について取り上げました。

繰り返しによる嗜好
特定の食材や料理を反復して摂取することで形成される嗜好。反復して摂取することで味わいの予測ができ、安全が予測できるようになり、その安心感が嗜好性を生むと考えられています。また、幼児期の繰り返しにより、嗜好の定着は早く強固になると考えられています。

脱味覚的な嗜好
味覚や嗅覚を介さず、情報で価値を判断する嗜好。集団としてのコンセンサス(評判)がおいしさの判断に大きな影響を与えることがわかっています。

保育園では、「こんなに野菜が多くても、また和食でも子どもが喜んで食べる」という料理があると思います。
子どもたちが食べる理由は
・食べ慣れているから →繰り返しによる嗜好
・みんながおいしい!!と言って食べるから →脱味覚的な嗜好

子どもが食べない=子ども向きではない。と考えず、保育園の定番メニューとして定着するまでは、調理の工夫を重ねながら、根気よく提供することが必要ということです。
嗜好を構成する要因を保育園全体で共有することで、健康的な食事への転換がスムーズになると思います。