栄養計算ソフト

栄養計算という呼び方をいいかげん止めなければならないのかもしれません。
給食の栄養価を計算する機能はもちろん必要なのですが、それはほんの一部にすぎないからです。

わんぱくランチユーザのご要望をお伺いしていると、食事の質を高めることやその質を伝えることに関するご要望がほとんどです。
考えてみれば、食品の組み合わせから栄養価を産出するだけならエクセル栄養君とか、食品成分表の書籍におまけで添付されている栄養計算ソフトで事足ります。わざわざ高い(?)業務パッケージソフトを使う理由はもっと別のところにあります。

それは家庭に保育所の給食を伝えるための質の高い献立表であったり
ユーザが作成した料理を分類整理したり、取り出したり、
ほかの栄養士なかまとのデータ交換の機能であったり
調理員の人が指示された料理を迷ったり間違えたりしないような調理担当者向けのレシピであったり、
効率よく旬の野菜を探し出し、低価格の仕入れができるように発注したり
子どもの成長記録と食事計画の連動性であったり、
アレルゲンとなる可能性がある材料があることについて、栄養士にアラームを出してくれたり安全に置き換えてくれる機能であったり
これらの業務プロセスを行政機関に報告する月報や
保育所の経営に資するためのコスト分析や在庫管理の機能なのです。

裏返して考えてみれば、栄養士の業務は、質とコストのバランスがとれた材料を探し出し、料理を作成する工程を指示し、実際に子どもたちに食べてもらった記録をとり、それを家庭や行政機関に伝えるという、食という営みすべてがかかわりを持っていることがわかります。必然的に業務ソフトも全プロセスにかかわってしまうわけで、そのソフトウェアが「栄養計算ソフト」という呼び名では不適切であることがおわかりいただけると思います。

ブログの「やっちゃった献立」でも指摘されていましたが、そうしたミスが起こってしまうのはソフトの責任でもあると痛感しています。m(__)m

ミスを防ぎ、楽しい献立を楽しくつくれるよう「五感」や「第六感」について研究を重ね、食づくりにこだわったソフトを作って行きたいと思っています。

それにしても「栄養計算ソフト」に変わる呼び名って何がいいのかなあ・・・。