乳幼児期の肥満

肥満とは、身体の脂肪が過剰な状態をいいいます。こどもの場合、この肥満に「良性」と「悪性」があると言われています。

一般的に乳児から2歳までの肥満を、体質の影響が大きい「良性肥満」、2歳以降からの肥満は、身体活動レベルを下げ、さらに肥満傾向が加速するとして「悪性肥満」といわれています。

この「悪性肥満」は、成人の肥満へ移行する確率が非常に高いことが知られています。特に学童期以降の成人肥満への移行は70~80%となっていることには驚きます。

昔は「よく肥えた元気な子だね!」は褒め言葉でしたが、今は将来の健康が心配されます。高脂血症、高血圧、糖尿病、脂肪肝など多くの生活習慣病は、肥満に関係しています。

保育園では、小食や偏食の子が気にかかり、元気いっぱいたくさん食べてくれる子には関心を持ちにくいものです。

私も保育園で働いていたことがあります。保育園時代に食欲旺盛でふっくらしていた子を数年後(小学校高学年)に見たときに愕然としたことがあります。運動会で1人だけトッラク半周以上遅れて走る姿を見たときは、本当にショックでした。その子は年中さんの後半から急に大きくなり始めました。食べ方、家庭の食環境などに、問題があったのだと思います。

特に学齢前、4~5歳児の体重の増加には注意が必要です。幼児の場合は、個人の成長発育に差があるので、他の子どもとの比較でなく、個人内の成長の過程を乳幼児成長曲線を活用して評価する必要があります。しかし、一番簡単で重要なのは「全体的なその子どもの印象」を把握することです。「あれっ?最近太め?」がスタートです。

次回のわんぱくランチのバージョンアップでは、園児の健康管理機能が充実します。もちろん身長体重を入力すると成長曲線が表示され、身体発育評価ができます。個人の記録をとることもできます。「子どもを見た印象」、「保護者からの相談」「保育士さんのコメント」「給食の食べ具合」などについて記録をし、個別の問題を見つけて、継続的なケア、モニタリングを行い、子どもの健康管理に役立てていただきたい!と思います。