卵の使用回数とアレルギー対応

保育園給食で、卵を使った料理数(おやつを含む)は1ヶ月に64品目。これはある自治体の献立です。

この回数は多いように思いますが、あり得ない数字ではありません。

・午前のおやつに使うお菓子
・主食パン
・汁に使う卵
・主菜に使う卵
・副菜に使うかまぼこ等の練り製品
・副菜に使うハムなどの肉加工品
・副菜に使うマヨネーズ
・午後の手づくりおやつの材料
・午後のおやつの市販のお菓子

何も考えずに献立作成すれば、1日1品目以上は必ず卵を使ってしまいます。

最近、アレルギー対応のために「卵の使用回数を制限」する保育園があります。
卵は、アレルギー原因食品に占める割合が、4-6歳で26%、2ー3歳児で30%、1歳で45%、0歳で62%、とどの年齢においても高くなっています。

近年、アレルギー原因物質が多様化しています。まともに給食ですべてのアレルゲンに対応する献立を立てようとするのは効率の点でも、コストの点でも現実的ではありません。
アレルギーの原因食品として「卵」は上位にきますからまず卵の使用回数を減すのです。その上で、卵以外のアレルゲン食品を個別に対応すればいいのです。

卵を減らしても大丈夫なのでしょうか?
卵は、安価、長期保存が可能、調理が簡単、子どもが好きという理由で、家庭で摂取しやすい食品です。家庭への具体的な卵摂取必要量を示し、理解を得ることができれば、保育園での使用回数を減らすことに問題はないでしょう。

卵の使用回数を減らすことは

1 多人数への除去の回数が減り、調理過程でのアレルゲン混入、保育室での誤飲のリスクを下げる。
2 除去して代替食品を提供するための材料費、人手のコストを下げる。
3 お弁当を持参するなどの保護者の負担を減らす。
4 他の子どもと違ったものを食べるという精神的負担を減らす。

につながります。

卵の使用回数を減らすためには、献立が重要です。

1 主食はご飯。
2 加工食品を減らし手作り中心に・・
3 原材料表示を確認し、卵を使っていない食材を選ぶ。・・・調味料やお菓子

平成14年4月より加工食品のアレルギー表示制度ができたので、3についても食品を見て簡単に選ぶことができます。
最近は、ホットケーキの素やコンソメにも卵を含まない製品がでてきています。

保育園での「卵の使い方」を見直すとアレルギー対応の質を上げることができるかもしれません。