炭水化物からのエネルギーの重要性

日本人の1日のエネルギー摂取量は減少しているのにも関わらず、肥満者の数は増え続けています。これは炭水化物と脂質からのエネルギー摂取量と関連しているようです。

昭和40年代は穀類からのエネルギー比率は50%を超えていましたが、現在は約40%、米だけに注目すると30%に減少しています。反対に脂質、たんぱく質を含む動物性食品や油からのエネルギー摂取比率が増加しています。

昭和40年代~50年代、私が育った時代は「おかずは栄養価が高い。」「おかずは残さず食べましょう。」などと学校給食で指導されました。これらの偏った知識が米を食べる量を減らしてしまったのでしょうか?30代~50代の保育士さんの中には、今でも「おかずから栄養摂取」と思っている先生もいるようです。

現代の食生活は、ご飯の摂取量が少なく、おかずを食べ過ぎているのです。

●大人の1回に摂るべき主食の量(食事バランスガイドより)
ご飯・・軽く茶わんに2杯

最近は、ご飯を毎食2杯食べる人は少ないでしょう。

●大人の1回に摂るべき主菜の量(食事バランスガイドより)
1 ハンバーグ・・半分
2 魚・・半分
3 豆腐(冷奴)・・1人前
4 卵・・1個

1~4のどれかしか選ぶことができないとしたら、多くの方がこの量を少ないと思うのではないでしょうか。

肥満を含む生活習慣病を予防していくためには、しっかりと穀類を摂ることが重要です。

最近は、脂肪からのエネルギーは炭水化物からのエネルギーより体脂肪になりやすいと言われています。子どもの頃からの脂肪の多い食習慣は、将来の生活習慣病のリスクは高くなるでしょう。

保育園では、同じ給与栄養量でも、米の摂取量にはとても差があります。少ないところでは45g、多いところでは60gです。(3歳~5歳児)
一番良いのは、給食で「主食であるご飯をしっかり」食べることですが、「実際に子どもが食べることができる量」と考えて給与量を多くすることができない場合は、おやつに積極的にご飯を利用するなど、炭水化物エネルギー比を改善していきましょう。