保育園での衛生管理で難しいのは、汚染作業区域と非汚染作業区域の区別ではないでしょうか?
何故難しいかというと?
1 調理室が狭い
2 シンクの数が少ない
3 作業台が狭い
4 器具庫などの場所の問題
5 人手が足りない
→汚染区域にあわせた作業分担ができない
こんな状態では、要求される衛生管理ができるはずがない!と思えてしまいますが、厨房の改築が簡単にできるわけではありません。
給食室で工夫と努力をするしかありません。
ある保育園さんの話です。
その保育園さんでは献立の工夫と動線の工夫で作業区分を分けているそうです。
1 献立は「粗食のすすめ」を目標にする。
→揚げ物やハンバーグ等の料理を減らして煮物やシンプルな焼き物を増やす。
2 床と壁にテープを貼って各区域を固定
3 動線を一方向、一方通行にして各調理員の作業区分の明確化
揚げ物やハンバーグ等は下処理・加熱調理時間と人手が必要なため、汚染作業と非汚染作業が混在しやすい料理です。当初保育士さんからは「子どもが好きなものが減って残念!」との意見もあったそうですが、「粗食のすすめ・子どもの健康を考えよう!」という目標をたてて継続しているそうです。
動線の一方通行については、汚染区域での器具の準備不足や作業分担がうまくいかない日もあるようですが、これを守れないときは、手洗いの徹底、衣類の替えなど適宜行っているようです。
作業区分を要求されたことで、保育園給食の目標が明確になり、衛生管理の意識も高くなった。とのことです。
子どもの健康管理、コスト管理だけでなく、衛生管理にも「献立力」が必要なようです。