食べること(生活)の支援

今日は、愛知文教女子短期大学で学生さんに講演をしました。

講演の中で、「自分が職場で栄養士として働いている姿」をイメージしてしてもらいました。

私自身も、以前現場で働いていたときのことを思い出してみました。

1 老人ホームで摂食障害がある方の食事を介助しているところ。
2 アレルギーで痒がり泣く子どもを見ながら、お母さんとケア方針を話し合ったこと。
3 利用者からの要望、食事の感想を聞いている姿。

食を通して人と関わっている自分の姿が思い浮かびました。
食べることは生活の基本です。私は、栄養士になって多くの人の生活に携わってきたことになります。

学生さんの多くは、人と離れて給食業務をしている場面をイメージしたようです。
1 レシピを考えているところ
2 栄養計算しているところ

今日の講演では、「栄養士は食から離れず、食にこだわり、利用者・患者とともに食を楽しむことを忘れずに、食べること(生活)を支援する人になってほしい!」というお話をしました。

フードサービスの基本は

1食事の内容(栄養・食材・組み合わせ・嗜好・地域の食文化)
2価格(人件費・材料費)
3調理

最高級の食材を使って、一流の料理人が、個人の嗜好を尊重し、手間をかけて作ればおいしくて当然です。給食での目標は、1~3のバランスをとって利用者の満足度を上げる。それにより生活の質を高めることに貢献することです。一緒に食を楽しみたい!食を楽しんでもらいたい!という気持ちが、フードサービスの原動力になります。

病院で働く栄養士さんほど、食べることから離れて臨床的な栄養指導に走りがちです。栄養士には、どこで・だれと・なにを・どのように食べるかなど、食環境全体をコーディネートする力が必要です。

新任栄養士さんから「調理は嫌!こんなはずではなかった!」という相談を受けることがあります。今は勉強。調理の基本、集団給食で必要な知識と技術を積極的に学んで、「利用者のニーズに合った、食べることの(生活)の支援」ができる栄養士さんになってほしいと思います。

自分自身もまだまだ勉強中です。