食事調査を行うと、マクドナルドを利用している人の多さに驚きます。
日本に上陸したのは1971年。
その後、マクドナルドは消費者のニーズに的確にこたえることで、わずか10年で日本全国に普及しました。
そのころの日本は高度経済成長真っ只中。働く女性が増えて、戦後日本の食生活が最も大きく変化した時代です。マクドナルドがファーストフード業界の隆盛の基礎を築き、当時の日本人の食生活の質を支えたことに間違いありません。
1981年には外食産業部門で農林水産大臣賞を受賞。安価で安全(衛生的)な食品を全国で提供できる経営方式を確立した功績が評価されます。
1990年代にはバブルの後遺症でデフレ時代に突入。すばやく80円マックなどを発表し、時代のニーズを先取りします。
2000年以降になると、マクドナルドを批判する映画が発表。対抗してダイエットや健康という要素に関する商品開発を行い、ヨーグルト、サラダ、揚げたチキンからグリルチキンを選択できるようにするなどの対応を行っています。
2006年に入ると好景気を反映して低単価路線と平行して、メガマックや高カロリー高脂肪の商品を復活させています。
また、第14回優良フードサービス事業者等表彰事業 環境配慮部門において農林水産大臣賞を受賞。ストローの袋を紙に変えるなど、さまざまな環境への取り組みが評価されます。
最近では、ホームページで安全性に関する情報の公開や食育推進のための情報提供を積極的に行っています。
このように、ファーストフードとしてトップを走る企業ともなれば全方面の切り口で消費者のニーズに常に答える努力をしています。
「マクドナルドは悪!」「マクドナルドのせいで肥満のこどもが増える!」と言い切る先生がいます。しかし、マクドナルドを動かしてきたのは、消費者のニーズです。
私たち栄養士は、現代のこどもの食環境を悲観的にとらえるのではなく、園児と保護者のニーズを出発点として、家庭の食環境の支援や食事指導を行っていくべきでしょう。
マクドナルドのホームページアドレス
http://www.mcdonalds.co.jp/