今年の4月に、日本で初となる文部科学省の「アレルギー疾患に関する全国調査報告書」が公表されました。全公立小中高3万6830校(約1277万人)を対象に、アレルギー疾患全般の状況を調査し、98%の学校より回答を得ました。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/04/07041301/002.pdf
これにより小学校での具体的な対応が明らかになりました。(複数回答)
①献立に使用食品を表示(67.1%)
②アレルギーの原因となる食品を除く(58.1%)
③別メニュー・代替食で対応(20.8%)
④弁当持参(24.5%)
となっています。
小学校の具体的対応で、献立に使用食品を表示するが67.1%にとどまっています。30%以上の学校で献立表に使用食品の表示がありません。
これにはびっくり!
アレルギー児、保護者は使用食材がわからないと「食べることができるもの」かどうかの判断ができません。除去や代替食品も栄養士、調理員まかせになって、症状が悪化する危険を予測することもできません。
使用食品の記載のない献立表を見て、「食べるかどうかを決めてください!」と言っている学校があることに驚きます。結局、保護者は判断できず、弁当を持参しているようです。
食品にアレルギー表示が義務づけられた今日、給食で使用食材を明確にして公開することは可能なことです。この調査を行ったことにより、各自治体の食物アレルギー対応は急速に進むことになるでしょう。
今回の報告書の中で、給食における取り組みを推進させるためには、設置者の「食物アレルギー対応を推進する」という方針を基礎に職員、保護者との連携を充実させ、正しい情報の共通理解に根ざした対応が必要。とされています。
私が参加していたアレルギーの会でも「使用食材の公開」を2年前に自治体に依頼しました。1年以上小学校で対応していただけませんでしたが、この調査結果がまとまり始めると、市の方針として「アレルギーに対応する」ことが決まり、あっさり使用食材の公開が叶いました。
小学校で「使用食品」、「原材料」など、アレルギー情報の公開が常識になると、今度は、保育園給食、給食監査にも影響があるかもしれません。
わんぱくランチでは、使用食材を記載した配布用献立表や使用食材の原材料一覧表などを用意しました。これらは、監査対策というより、実際のアレルギーケアの質を高める上で重要な情報です。
是非、お使いいただきアレルギー対応に役立てていただきたいと思います。