ビタミンB1は「糖質をエネルギーに変える」重要な栄養素。
不足すると
・糖質が分解できず乳酸がたまり疲れやすくなる。
・食欲不振など脚気の初期症状が出現。
また、糖質は脳や神経のエネルギー源なので、充分に供給されないと、イライラしたり、怒りっぽくなり、問題行動やお友達とのトラブルが増えてしまいます。
精神症状は身体症状より先に現れます。思いあたる園児さんはいますか?
B1不足の原因は、
①日本人の食生活が炭水化物中心なので、必要とする量が多い。
②糖分が多いのにB1が含まれない「清涼飲料水、甘いお菓子、インスタント食品」を多く食べる。
ビタミンB1は現代の食生活では、不足しがちな栄養素です。家庭で「朝食をたべない!」「外食が多い!」という園児さんのほとんどは、ビタミンB1が不足していると考えてよいでしょう。
家庭で不足しがちな分を保育園で提供したい!と思います。しかし、保育園でも2005年食事摂取基準で必要とされる値が高くなったため目標量(推奨量)を満たせない日があるようです。
2000年第6次日本人の栄養所要量・・・0.6mg(3歳以上児男女)
2005年食事摂取基準・・・0.7mg(3歳以上児男女・推奨量)
わんぱくランチのユーザー様から、「目標量を充足できない!」という相談をいただくこともあります。ビタミンB1を多く含む食品を復習して、今後の献立作成に役立てたいと思います。
●高含有ランキング
<主食>
1 玄米
2 そば
3 パスタ
4 胚芽米
5 雑穀パン
毎日食べる主食でとるのが得策!お米を胚芽米、パンは全粒粉にすると保育園の必要量は充分供給することができます。しかし、家庭での不足分まで補おうと思うと「新玄」などのB群強化米などを利用する必要があるでしょう。
<主菜>
1 豚ひれ肉
2 豚もも肉
3 鶏レバー
4 豚レバー
5 うなぎ
6 ハム
7 ぶり
8 さけ
9 さば
10 大豆
11 豆腐
<副菜>
1 とうもろこし
2 えだまめ
3 そらまめ
4 なばな
5 ささげ
6 アスパラ
7 ほうれん草
8 ブロッコリー
9 みかん
10 パイナップル
この他に、「にら・ねぎ・たまねぎ・にんにく」もビタミンB1補給に役立つます。ビタミンB1は余分にとると排泄されます。しかしこれらの食品に含まれるアリチアミンは血液中に長く滞在して、長時間にわたってビタミンB1を利用することができます。これが「にんにくパワー」の由縁です。
ビタミンB1は現代の食生活では不足しやすい栄養素あることを認識し、生活スタイル、食習慣改善のための支援、指導を行いながら、保育園給食で充分に給与していく必要性を感じます。