栄養士の食体験・嗜好が給食に影響

私が栄養士になりたての頃のお話。

その日の施設の献立は
あさりご飯
菜の花のみそ汁
たけのこのかき揚げ
酢の物

仕事が終わって自宅に帰ると、食卓に全く同じ料理が並んでいました。
あさりご飯に入る野菜の量。たけのこのかき揚げの具まで同じものでした。

その後も、「私の立てた施設の献立」と「母親の作った料理」が全く同じということが何度もありました。

自分の食体験、嗜好が献立作成に与える影響の大きさに驚きました。

「栄養士が変わると、献立が変わる。」という話をよく聞きます。
栄養士さんは、それって良い意味? 悪い意味?っとかなり気になるものです。

栄養士は、栄養補給を考えながら、自分が「おいしい!」と思える料理とその組み合わせで献立作成をします。 栄養士の食体験や嗜好が献立に反映されてしまうのはあたりまえのことです。

毎日「おいしいー!」と言ってもらえることばかりなら良いのですが、食の嗜好は個人差が大きいもの。栄養士は要望、意見、をたくさんいただくお仕事です。(あまりにも個人的な要望、意見で困り果てることも多々あります。)

多くに人に食事を楽しみにしていただき、食べて満足していただくためには

①食文化をよく理解し
②自分の嗜好をよく把握し  (→ とても重要)
③食の専門家という意識を持って食にここだわり
(→おいしいものをたくさん食べることも必要。)
④対象者と一緒に食べることを楽しむ

自分が心がけていることです。

今では、母親に食事を作ると「こういう組み合わせもあるんだー。」と驚かれることがあります。栄養士として食にこだわって生活してきた中で、たくさんのお料理、味に出会ってきたのだと思います。

「食にこだわり、食べることを楽しむことが、栄養士のスキルアップにつながる。」
ともて幸せな仕事です。

時々、お客様に「アドムのわんぱく献立は名古屋の郷土料理が入っていておもしろい!」と言われることがあります。実は郷土料理にこだわっているわけではありません。子どもの頃から普通に食べている料理を提案しているだけです。

やっぱり、栄養士の食体験は献立への影響が大きいですね。