子どもの「量の認識」

昨日に引き続きスイスの発達心理学者ジャン・ピアジェが行った保存の実験を紹介します。

●量の保存の概念

①AとBのコップに同じ量の水を入れる。
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AとBは同じだけありますか?と聞くと
幼児は「同じ。」と答える。

②Aと同じ分量の水をAAのように小さなコップに分けて注ぎいれる。
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AとAAは同じだけ水が飲めますか?と聞くと
幼児は「AAの方がたくさん飲める。」と答える。

③Bと同じ量の水をBBのように背が高く細身のカップに注ぎいれる。
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BとBBは同じだけ水が飲めますか?と聞くと
幼児は「BBの方がたくさん飲める。」と答える。

幼児は、液体の入っているコップの個数や形を変えると, 液体の量も変わると思うのです。 これは、 直接の知覚による判断であり, 「液面は高くなるがコップの巾は狭くなるから・・・・」のように複数の知覚を調整することがないというこです。

この実験から、子どもは量が同じでも1個より2個、また液面が高くなると量が多くあるように感じることがわかります。

反対に少なく見せたいときには、個数を減らす、液面を低くするとよい!ということです。

保育園の調理、盛り付けでは、幼児期に「数(個数)や量の保存概念が確立していない」ことを利用すると、効果がありそうです。

このピアジェの実験は方法論に問題があるとも言われていますが、現場では役立つ知識だと思います。

保護者には、「盛り付けで子どもの食べる意欲をあげる!」というテーマお伝えすると、関心を持っていただけるでしょう。

小食、食べすぎなど、問題行動に対する支援につながるかもしれません。