胃内停滞時間から「午前おやつ」を考える

未満児さんの午前のおやつの提供内容は

1 牛乳とお菓子(ウエハース・ビスケット・せんべい)
2 野菜ジュースとお菓子
3 牛乳や野菜ジュースなどの飲み物
4 提供しない

保育園によって様々です。

未満児さんは一度に少量しか食べることができないので、成長に必要な水分と栄養を補給するために、食事を分割して提供する必要があります。このような理由で、保育園では午前中におやつを提供しています。

しかし、保育園では「午前中におやつを与えると、昼食を充分に食べることができない!」という問題があるようです。

食物が胃にとどまる時間は食べ物の量と質によって異なります。短いものでは1時間、長いものでは5時間もかかります。胃内の停滞時間から未満児さんの午前おやつの内容を検討します。

①普通牛乳の胃内停滞時間、 75ml で 1時間15分
200mlで 2時間
400mlで 2時間30分

②糖質食と比較してたんぱく質食は2倍の停胃時間

③脂質はたんぱく質よりさらに長い停胃時間

①~③を考慮すると

午前のおやつとして適している食品は

・低脂肪乳
・野菜ジュースや果物ジュース
・せんべい、コーンフレーク、ポップコーンなど糖質食品
・脱脂加糖のカップ入りヨーグルト
・バナナなどの果物

適さない食品は

・普通牛乳→量と時間を考えればOK
・高脂肪牛乳
・クッキーなどの脂肪分の多い食品
・卵を含む食品
・無糖ヨーグルト(脂肪を多く含む)

どの年齢においても、食事の回数が多い程、必要な栄養を充足しやすいことがわかっています。特に低年齢児ではこの傾向が強く現われます。

保育園では、食べ物の胃内の停滞時間(消化の速度)を考慮して、食事を分割して提供できるよう、献立を工夫する必要があります。