子どもにおすすめのファミリーレストランは、「イタリア料理のサイゼリヤ」。
以前、外食料理の栄養データベースを作成する仕事をした時のこと。
各ファミレス本社にメニューの栄養価を聞くと、「公開している栄養価以外は教えられません。」「他社の加工食品が多く、こちらでエネルギー以外は把握していません。」という回答がほとんどでした。
しかし、サイゼリヤは、「資料は全て揃っているので、栄養計算していただけるならよいですよ!」と快く協力してくれました。
サイゼリヤ本社に行き、驚いたことがたくさんありました。
1 各料理に使われている野菜の量の多さに驚き!
→家庭で食べるよりたくさん食べることができるかも・・。と思う量。
煮込みソースやスープに使われる野菜の量には驚きます。
2 安全のためには、自社工場、自社加工があたりまえ。
→「他社に任せられない!」という言葉が印象的でした。
3 安全のためには、自社農園(お米・野菜)も必要。
→本社の事務所に農家の人が出入りしてました。
このにんじんいいよー。見て見て!とか言ってました。
4 本物のイタリタ料理を食べてもらうために、オリーブ油やワインはイタリヤから直輸入。
→「高価格のイタリヤ料理店もこれを使っているんだよ。」と誇らしげでした。
5 「素材」と「シンプルな料理」にこだわる。
→素材本来の食感・味・風味を最大限に生かすことが重要。
シンプルな調理でおいしさを表現したい。と考えています。
「トマトは完熟以外使わない」という徹底ぶりにはおどろきました。
6 価格を下げて、料理を組み合わせる楽しさを知ってもらいたい。
→料理の価格は、組み合わせる料理の種類や価格を考慮して設定。
品質が一流でも、オーダーしにくいワインやスープは特に安くしているとのこと。
「業界の価格はサイゼリヤにコントロールされている。」と言われる程低価格。
取締役の方は
・価格が安く
・食べて(味)満足
・体(健康)によい
何度でも行きたくなる店。を目指してゆっくり業績を伸ばしてきたので、これからもあせらず社会に貢献していきたい!と話していました。
各ファミレスはキャラクターを使って「食育」をテーマに来客数を増やそうとしています。
・ロイヤルホスト→しまじろう
・デニーズ→ピングー
・ガスト→アンパンマン
しかし、サイゼリヤはいまさら「食育」とは言いません。しかし、各原材料の原産地公開など、お客様のニーズにしっかり答えています。今まで通り「子どもにも安全で新鮮な野菜や自慢のトマトソースを使った料理を食べて欲しい!」と願っていると思います。
子ども達の食環境を考えると、家庭に向けての食事指導では「外食を含めた指導」が必要になってきています。
現場の栄養士さんは、サイゼリヤのようなチェーン店だけでなく、地域の優良なお店情報も大切ですね。