「食品ロス」の実態

私たち日本人には危機感がありませんが、世界の食料不足の問題は深刻なようです。

・現在、世界で8億人が飢餓状態にある。
・2000年以降世界規模での耕地面積の拡大ができていない。
・発展途上国で人口が増え続けている。

将来は先進国も食糧不足に陥る可能性があると言われています。

食に携わる私たちは、「日本の食品ロスの実態」を知っておく必要があります。

平成17年度、世帯における食品ロス率は4.1%。
少ないのか多いのかピン!とこない数字です。

食品の使用量(1人あたり)は
野菜 230g(全体の17%)
調理加工品 215g(18.5%)
穀類 176g(15.1%)

食品のロス量(1人あたり)は
野菜 20.5g(全体の43.2%)
調理加工品 8.0g(17%)
果物 7.4g(15.6%)

農林水産省「食品ロス調査より」

野菜は使用量、ロス量が多く、一番食べ残されているとうことです。この結果を見ると、栄養士というお仕事をしているせいか、食べ残し(ロス)の問題よりも、健康維持に必要な「野菜」を充分に摂取していないことが気になってしまいます。

次はエネルギーベースで、「食品ロス」を見てみます。

日本に流通した食べ物のカロリー・・2588kcal
実際に摂取した食べ物のカロリー・・1863kcal

なんと約700kcalの差があります。(内閣府「平成18年食育白書より」)

この結果からは、1日700kcal分、たくさんの食べ物が無駄になっていて、実際に摂取されていないことがわかります。「食品ロス」の重大性が実感できます。

食卓に出した料理を食べ残した理由  (農林水産省「食品ロス調査より」)

①料理の量が多かったため 72.3%
②嫌なものが含まれていたため 13.3%
③家族の中で食事を食べなかった人がいるため 12.8%
④体調不良など何らかの理由により食事量が少なかったため 11.5%
⑤味がよくなかったため 10.5%

①~⑤まで、すべて保育園でも日常的に起こりそうなことです。

・はじめての献立で作り過ぎた。
・新しい献立に挑戦!子どもが食べ慣れていないものは残菜がでやすい。
・風邪が流行すると、全体的に食欲が落ちて残菜が増える。
・味付けをちょっと失敗して、いつもより残菜をだしてしまう。

なんてこともあります。

食は毎日の繰り返しです。少量の食べ残しが、たくさんの食品ロスをだすことにつながってしまいます。

・献立の組み合わせ
・体調に合わせて食べることができる配膳方法
・おいしく食べることができる調理の工夫

保育園でも、食品ロスを減らす努力ができそうです。