米医学誌「Archives of Pediatrics & Adolescent Medicine」8月号にこのような論文が発表されています。
3歳から5歳のこどもの嗜好は、包みの「ロゴ」、ブランド名に影響されるということです。
○研究者は、米スタンフォード大学(カリフォルニア州スタンフォード)医学部小児科学助教授の博士
○対象者は、3~5歳の幼児63人
○方法は、マクドナルド商品と、スーパーで購入した食品をマクドナルドのロゴ入り包装紙で包んだもの、そうでないものの2種類にわけて子どもの試食させました。
○結果は、中身は全く同じでも、マクドナルドの包装紙を用いた食品のほうがおいしいと答える幼児のほうが多かった。ということです。
「おいしい」と答えた幼児は、
・マクドナルドに訪れる回数が多い。
・自宅には平均2.4台のテレビがあり、宣伝をよく見ていることが推測できる。
・マクドナルドでの食事回数が多い。
というような傾向があったそうです。
博士は、マクドナルドが米国内の宣伝に年間10億ドル(約1,130億円)以上費やしていることを指摘し、幼い子どもを対象とした商品の宣伝の仕方に問題提議しています。
研究規模が小さく、研究デザインには問題がありそうですが、子どもの食環境への影響力はあるでしょう。
マクドナルドのスポークスマンのWalt Riker氏は、「このような宣伝・ブランド力の影響を重視しており、宣伝の半分以上を子どもにより健康的なものを選択させるようなものにする。」としています。マクドナルド以外の食品会社9社もこれに賛同しているようです。
米国では、小児の肥満、糖尿病の増加、青年期の心疾患増加が加速しています。日本も例外ではありません。いろんな視点から問題提起していくべきでしょう。