保育園での「食事摂取基準の活用」のポイント

平成17年3月29日に厚生労働省雇用均等、児童家庭局からだされた通知文に

①昼食については、1日全体の概ね1/3(33%)との量
②おやつについては1日全体の10~20%程度の量

を目安にする、という記載があります。

保育園では、昼食とおやつを提供するので、単純に①+②とすると1日全体の43%から53%を園で提供することになります。

多すぎる!
子どもが食べることができない!
栄養給与目標量はどのように設定すべきか?

このことについて、多くの保育園さんから質問をいただくので、再度「食事摂取基準の活用」のポイントをまとめてみます。

厚生労働省は「上記の数値はあくまでも目安。」と言っています。

重要なのは、通知文に書かれた下記の内容です。

●目標量の設定の方法

子どもの性、年齢、栄養状態、生活状況を把握し・評価し、提供することが適当なエネルギー及び栄養素の量の目標量を設定すること。

こどもの生活状況は保育園によって様々です。

・園の保育時間
・保育園のある地域→地域の食習慣や文化
・保育園のある場所→駅前、校外
・保護者の就労形態の違い
・保護者の収入の違い
・家庭の家族構成

園の栄養給与目標量は園独自で決めるべきものなのです。新しく設定するのではなく、現在の栄養給与目標量の評価からはじめるとよいでしょう。

●栄養給与目標量の評価

子どもの栄養状態、摂食量、残食量をの把握により、給与栄養量の目標の達成度を評価すること。

→これは、対象者を集団ではなく、個人と考え、1人1人の栄養状態(体重などの発育状況)、摂食量、残食量を把握し、また、集団としての傾向も捉えて、園で設定した目標量が保育園に在籍する子どもにとって適切であるかどうかを評価をするということです。

●献立の内容については

・季節感や地域性を考慮する
・品質がよく、幅広い種類の食品を取り入れる
・子どもの咀嚼や嚥下機能の把握
・食具の使用の発達状況の把握
・子どもの機能発達を促すことができるよう調理方法に配慮
・子どもの食に関する嗜好や体験が広がり、かつ深まるような食品、料理の組み合わせ

これらのことに配慮しながら栄養給与目標量を充足する給食運営を行うこと。としています。

今までの監査のように「決められた目標量を充足しているかどうか!」だけで給食を評価する時代は終わりました。

新食事摂取基準を活用した給食管理とは、目標量設定だけに限ったことではありません。目標量の設定→給食の提供→評価→献立の改善を繰り返しながら、継続的に給食運営していくことが求められています。