動物性たんぱく質比率について

①現代では、動物性たんぱく質を過剰に摂取している。
②動物性たんぱく質のとり過ぎには良くない。→生活習慣病の増加と関連
③動物性たんぱく質比を50%程度に抑えてバランスよく摂取すると良い。

これは、私の常識でした。自治体への報告書類に「動物性たんぱく質比」の項目があり、③が適正値として示されていたので、今まで何の疑問も抱いたことはありませんでした。

昨日、岐阜大学の名誉教授の清水先生とお食事した時に、この動物性たんぱく質のことが話題になりました。

・植物性たんぱく質(大豆など)と動物性たんぱく質(肉、魚、卵)は、どちらを食べても、結局アミノ酸に分解されてから吸収される。摂取量の比を評価する必要性はあるのか?

・動物性たんぱく質を多く含む食品を食べ過ぎると、一緒に脂肪をとってしまうことが問題ならば、脂質エネルギー比を評価すればよい。動物性たんぱく質比を評価する意味は?

私の常識が崩れた瞬間です。とてもショック!でした。

生活習慣病の増加は

「動物性たんぱく質食品の摂取量が増えた。」ことが原因ではなく、
「動物性たんぱく質食品を摂取したことにより、脂質の摂取量が増加した」

ここがとても重要です。この点が、自分の中で曖昧だったように思います。

脂肪をとってしまうことが問題!!ならば、献立の組み合わせ、食品の選択方法や調理法で動物性たんぱく質食品を使いながら脂肪を減らすことはできます。これは、栄養士さんの得意なところです。

・肉の使用部位を考える。
・湯通して脂肪をおとす。
・鶏肉の皮や脂肪を使わない
・植物油の使用量を減らす献立立案

そもそも、動物性食品は植物性食品より多くのたんぱく質を含んでいます。また、栄養価も動物性たんぱく質の方が高く、体の構成成分として無駄なく利用されます。

動物性たんぱく質の摂取量が増えたことにより、健康増進した事実があります。

・平均寿命が延びた
・脳卒中が減った
・体位が向上した

動物性たんぱく質比を考慮すると献立が立てやすくなる!というのは経験的にわかりますが、それはあくまで計画の段階のこと。給食の評価項目としての必要性はないように思います。

子どもの場合は、特に効率よく栄養を摂取する必要があるので、栄養価の高い動物性たんぱく質を使用しながら、脂質を抑える努力が必要だと思います。

また、一つ勉強になりました。