残りご飯の活用法

以前、保育園で「子どもが家でご飯を食べない!」という相談がありました。

ご家庭の食事の内容を聞くと、「一度ご飯を炊くと、3日間くらいそのご飯を食べている!」というのです。仕事の都合で突然外食したり、店屋物をとったりするそうです。

保育園で、白ご飯を食べることができる子が、家で食べない理由。もしかした炊飯器に入りっぱなしのご飯ががおいしくないのかも?と尋ねたら、思い当たるところがあるようです。お母さん自身もパサパサ感が嫌で捨ててしまうことがある。というのです。

いま時、めずらしく電子レンジのない家庭だったので、冷凍保存→レンジでチン!というわけにもいかず、残りご飯の活用法をお母さんと一緒に考えました。お母さんが「やってみたい!できる!」と思わなければ、栄養相談の意味がありません。

相談の結果は、

1 朝食にご飯を利用する。いつもは、パン+市販のスープ
→翌日ご飯ならおにぎりでOK!
→翌々日ご飯になったら、市販のスープにご飯を加えて雑炊に・・

2 炊きたてご飯は、「白ご飯」のままでおいしく。
パサパサご飯は丼やチャーハンにする。
→惣菜を買うのではなく、「レトルトの合わせ調味料+食材」を準備する。
天津飯の素、牛丼の素、カレーライス、チャーハンの素など

3 時間に余裕があればおやつを作る。

3番は、お母さんからの提案でした。残りご飯をどのように食べよう!と一緒に考えている間に、自分が子どものころにおばあちゃんに作ってもらって食べていたおやつを思い出したようです

後日、80歳になるおばあちゃんが、わざわざひ孫のためにおやつを作りにきてくれたそうです。

私にも分量を教えてくれました。

ごまおやき

残りご飯 茶碗に軽く1杯
すりごま 大さじ半分
みそ 大さじ3分の1
さけ 少々
小麦粉 大さじ1

ご飯にすりごま、酒で溶いたみそ、小麦粉を混ぜて小判型にして油で焼きます。ごまの香がよく素朴な味でおいしかったです。

数日後、こどもが「伝統の味はごまおやきだよ!」と保育士に話したそうです。市販のパンと惣菜で毎日の食事を済ませていた家庭に「伝統の味」がよみがえったことにちょっと感動しました。

この時から3年後、この子が卒園する時に、お母さんは冗談ぽく「あの子の成長をみれば、私の料理の腕があがったのがわかるでしょ!」と・・・。「残りごはんをどうやっておいしく食べるー?」と頭をつき合わせて考えた日を懐かしく思いました。