みその風味、塩分量の違い

テレビガイドを見るとお料理番組の数の多さに、本屋さんに行くと料理本の種類の多さに驚きます。

私たち栄養士は、お料理番組や本を見て「保育園でも作ってみよう!」と思うことがあります。

おとな向きのレシピの場合は
・野菜や肉の部位を変える
・切り方を変える
などの工夫をします。

調味料については、薄味を心がけますが、基本的に調味割合を変えずに挑戦することが多いものです。そんな時に意外に難しいのが「みそ」です。

塩、砂糖、しょうゆ、酒、みりんはすぐに味が決まるのですが、みそは辛くなったり、塩分が足りないと感じたり・・。これは、原料の種類、配合、熟成期間などにより、みその風味、品質、塩分量、地域的に嗜好(おいしいと感じる味)が違うからです。

塩分量
信州みそ(米みそ) 大さじ1杯で塩分2.0g~2.3g
仙台みそ(米みそ) 大さじ1杯で塩分2.3g~2.5g
西京みそ(米みそ) 大さじ1杯で塩分1.0g~1.2g
麦みそ         大さじ1杯で塩分1.9g
豆みそ         大さじ1杯で塩分2.0g

みそには緩衝作用があります。緩衝作用とは、酸やアルカリの添加によってPHを変動しない性質です。これが、昔から日本人がみそを好む理由ではないか。と言われています。材料が変わっても、他の材料を加えても味噌の味が変わらない!と言うことです。「いつも変わらない味」だからこそ、日本人は「他のみその味」を受け入れにくいのかもしれません。

加工食品が多くなり、全国的に味が統一化されてきた。と言われていますが、「みそ」はこれからも地域の味が受け継がれていくのでしょう。

お料理番組や料理本では、みそを混ぜ合わせた「あわせ調味料を加える」というレシピがよくありますが、保育園で作るときは、みそは最後に味を見ながら加えていくとよいでしょう。みそを使った料理は、地域の味をつくりだす工夫が必要です。

名古屋の味噌料理の代表、「ふろふき大根の肉味噌かけ」。
甘辛く、とてもおいしいです。
名古屋では豆みそ(赤)を使います。

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だいこん 60g
だし汁 60g
豚ひき肉 15g
砂糖 5g
みそ 8g
みりん 5g
だし汁 10g

1 だいこんを輪切りにしてだし汁で煮る。
2 鍋にだし汁、ひき肉、砂糖を加えて煮る。
3 肉に火が入ったところで、みりんとみそを加えて味を調え、煮詰める。
4 1に3をかける。

米みその赤色の辛みそ(仙台みそなど)を使っても同じ分量でおいしくできました。

愛知県の子どもたちは、この「肉みそ」だけで、ご飯をおいしく食べれてしまいます。