発想支援法・ブレインストーミング

給食は批判されることばっかり!と嘆いている栄養士さん。

「ブレインストーミング」という課題を抽出する技法を身につけると、保育士さんからの意見がクレームではなく、とてもすばらしい意見、アイデアとして、ありがたく思えるようになりますよ。

「ブレインストーミング」とは、何人かが集まり、あるテーマをめぐって、既成概念にとらわれず、自由奔放にアイデアを出し合う会議形式の一種です。考案者のオズボーンによれば、“ブレーン(頭脳)で問題にストーム(突撃)すること”です。

アドムの研修会では、何度かこの「ブレインストーミング」を使った話し合いの場を提供しています。会ったばかりの各地域の栄養士さん、調理担当者は、この技法で決められたテーマについて周辺知識を列挙し、新しい課題を発見するなど、効率よく話し合いを進めることができました。

●ブレインストーミングには4つのルールがあります。

①批判は行わない。提出されたアイデアに対する批判や判断、意見は排除する 。

②奔放なアイデアを歓迎する。つまらないアイデア、乱暴なアイデア、見当違いなアイデアを歓迎する 。

③アイデアは質より量を求める。アイデアは多いほどよい 。

④他人のアイデアを修正、改善、発展、結合する。出されたアイデアの改善案や組み合わせなども歓迎する 。

●ブレインストーミングの方法は?

・ある1つのテーマに関して、自由に意見を出し合う

・周辺知識を列挙する

・知識の結合

・解決策が導かれる。
・新しい発想が生まれる。

●ブレインストーミングの効果は?

①ある特定の問題に対して、何らかの解決策を手に入れることができる。

②参加メンバーの創造的問題解決能力が開発される。
ブレインストーミング独特の創造的な雰囲気を何回か繰り返して体験することによって、参加者は、創造的な態度や思考を体得していくことができる。

③チームワークがよくなる。
チームの結束が固まって、仲間意識が強くなるという効果が期待できる。

ある市の保育園(9園)の調理員・栄養士が出席する自治体の給食会議に出席した時のことです。

ある調理員さんが調理工程についてアイデアをだしました。すると、1人の調理員は「私の保育園では無理!」と話を聞かずに批判的な態度をとりました。そこで私は、「その話をもう少し具体的聞きたい!」とお願いし、続けてもらいました。

その後、他の施設の調理員からは、そのテーマについてたくさんの意見がでました。園の調理室の器具の配置、動線、作業手順、食数対応など・・。給食を運営していく上での問題点が列挙され、対策が導かれました。

批判されない。アイデアが求められている!と感じたことで、調理員さんたちは創造的な思考を持つことができたのでしょう。

たくさんの人と給食について話をすることは、子どもの健康、食環境の改善に必ず役立ちます。話し合いをする時は、このような「ブレインストーミング」の技法をとり入れてみてください。

複雑な問題の場合は、ブレンストーミングの後、整理・分析を行い、真に独創的なアイデアを抽出したり、問題点をまとめる作業を行っていく必要があります。整理を行う技法については、またの機会にまとめてみたいと思います。