パンの製造メーカー、山崎パンが、小麦の高騰の影響を受け、12月1日にパンの価格を約8%引き上げることを決めています。値上げは段階的なもの。と言うことなので価格はまだまだ上がります。
保育園で週に数回パンをだしている保育園はたくさんありますが、今後はパンの値上げにより、必然的に給食の主食は「パン」から「ご飯」に変わっていくでしょう。
「パン」と「ご飯」の比較をしてみます。
●現在の食パン1枚とご飯1杯の価格を比較すると、
・給食で使用される食パン1枚 20円~30円 (1斤100円~150円)
・ご飯1杯 15円~20円 (1キロ3000円~4000円)
今後パンの値上げにより、「米とパンの価格」の差が一層広がります。
●子どもの食べ具合を比較すると、
確実に「ご飯」をよく食べます。これはご飯は水分量が多いので、咀嚼、嚥下機能が未熟な子どもには食べやすいのだと思います。
●子どもの健康を考えると
ご飯を中心とした食習慣を形成することは、こどもの健康にとって重要なことです。主食であるご飯をしっかり食べることにより、油の量が減り脂肪のとりすぎを防ぎ、生活習慣病から遠ざかることができます。
●給食の作業量は
パン食の方が作業量が少なくてすみます。
・炊飯(計量・洗米など)作業、配膳(つけわけ)作業がない。
・袋入りを購入するとお皿が要らず、洗浄がいらない。
・パンは種類が多いので、手間をかけずにバラエティーに富んだ献立に見える。
パン給食のメリットは、作る側だけにあるようです。保育園では、3歳以上児の主食は保護者が実費で支払っているケースがほとんどです。このような理由では、パンを使い主食代が高くなることに対して、保護者の理解を得ることはできないでしょう。
作る側のメリットだけで、続けられてきた「パン給食」。小麦の高騰による「パンの値上げ」は、各機関(学校・保育園・保健所)で実施されている食育より、子どもの食行動改善に即時効果がありそうです。