今日のアドムの昼食は、中華おこわでした。炊飯器で炊くレシピで、もち米にうるち米を加えました。
もち米は、アミロペクチンというデンプンからなり、粘りが強いのが特徴です。日本人は、毎日食べるうるち米でもやや粘りが強いコシヒカリを好む傾向があり、もち米を使ったおこわも人気があります。
「もち米が好き!」という人は多いのですが、食べる機会は意外に少ないものです。これは、もち米の「需要と供給のバランス」と「品質管理」の難しさにあるようです。
家業の米屋でも、よくもち米のことが話題になります。
・正月前にもち米が足りない。→価格高騰
・正月過ぎてもち米が余った。→価格急落
(持ち過ぎている人は買った価格より安値で販売)
このように、日本の現状の食生活では、もち米は収穫されてから短い期間で需要が高まり、その後一気に下がる。という難しい食材です。農家との取引価格はうるち米と同じでも、店頭では3割以上高くなります。
また、もち米を扱うことは農家・米屋にとって大きなリスクがあります。
・苗を間違えてもち米を作る田んぼに少量のうるち米の苗を植えてしまった。
・コンバイン(稲刈り機)、もみすり機、乾燥機、精米機の処理が悪く、もち米にうるち米が混じった。
このように、もち米にうるち米が混じると、もち米として売ることができなくなります。
家業の米屋は、農家と米屋の仲介業なので、このような米が流れてくることが多々あります。今年の冬はこのような米が多く余ってしまいました。「どうせ安く売るくらいなら!」と自宅で少しでも消費しようと3月まで餅つきばかりしていました。(今年はたくさんの人にプレゼントして喜んでもらいました。)結局は、最高級の米選別機を持つ米屋さんに3割安で売り切りました。
消費量も減っていますが、作付けする農家も取り扱う米穀店も減っているのが現状です。
さて、今日のレシピを紹介します。
中華風おこわ
米 35g
もち米 15g
たけのこ(ゆで) 10g
焼き豚 10g
干ししたけ 0.5g
にんじん 5g
ねぎ 5g
水 65g
中華だしの素 0.5g
しょうゆ 1g
砂糖 2g
塩 0.1g
1 もち米は一晩水に浸す。
2 たけのこと焼き豚は5mm角に切る。
3 干ししいたけは水で戻してせん切りにする。
4 にんじんは2cmのせん切りにする。
5 ねぎは小口切りにする。
6 もち米とうるち米を合わせてスープ(水に中華だしの素を溶かしたもの)、しょうゆ、砂糖、塩、2~5を加えて炊く。
少し濃い目の味付けですが、とてもおいしく食べることができます。
新食事摂取基準で男の子の必要エネルギー量が増えたことにより、ビタミンB1の基準値も高くなりました。ビタミンB1補給に「豚肉」を使った主食もよいのではないでしょうか?
(2020年5月更新)