花の蜜を吸う子供たち

多くの被子植物は、蜜腺という「蜜」を分泌する部分を持っています。花が咲くと蜜が分泌されて、それを餌とする昆虫が集まってきます。昆虫にとって蜜は大切な餌であり、花にとって昆虫は花粉を運び、別の花で受粉を行うための大切な媒体というわけです。

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私の住んでいる愛知県西部の地域の子どもたちは、この季節になると外遊びの合間に、みんなそろって蜜吸いをしています。子どもたちは蜜を多く分泌する花をよく知っています。

花の蜜はショ糖と比較にならない糖度を持っています。子どもたちは、「甘い=おいしい」と思っていますが、それと同時に食べ過ぎると不快感が残ることもよく知っています。年齢が小さい子どもたちは蜜の採集がおもしろく、花の蜜をコップにためる遊びをします。集めた蜜を飲んで強烈な甘さに驚き、次からは「かき氷をつくってかけよう!」「水で薄めてジュースにしよう!」といろいろな工夫をし始めます。

「おしいくできたよ!」自慢げに私に食べさせてくれます。この時の甘みの薄さに驚かされます。

市販飲料の半分以下の糖度で、子どもたちは「おいしい」と感じることができるのです。食育ブームで「味覚の発達のためのプログラム」が検討されていますが、自然の中で体験を重ねながら自分で考え、食べることを身につけていくことにはかなわないでしょう。

私自身、名古屋市内で育ったので、今住んでいる地域の子どもたちに驚かされることが多々あります。ちょっとした田舎くらしを子どもと一緒に楽しんでいます。