近年、幼児の食事調査を行うと、肉や魚の「生」を食べる子どもの多さに驚きます。
生の肉、魚は加熱すると、たんぱく質の物性が変化して、特有の弾力や歯ごたえが生じます。 咀嚼機能の未熟な子どもにとっては、生のままの方が食べやすいのでしょう。
しかし、生食は
・食中毒が起こりやすい
→大人に比べて体の小さな子どもは重篤なケースに陥る
とても危険です。
・肉の生食などが原因で発生するカンピロバクター食中毒の患者数
→昨年約2400人にのぼり、過去最高
・魚の生食などが原因で発生する腸炎ビブリオ食中毒
→患者数は多い年では14000人近く
どちらの菌も熱に弱い特徴があるので、加熱すれば、食中毒のリスクを大きく下げることができます。子どもに「生」を食べさせることは、保護者の方の知識不足からくるものでしょうか。
保護者は、店頭で販売されていれば安心!飲食店で提供されていれば安心!と思い込んでしまっているのかもしれません。
埼玉県の6月の調査で、生食の肉を提供している店舗の8割以上が「生食用」の表示のなかった肉を「生」で客に提供していることがわかりました。
生食用の肉は、内臓の処理方法、作業員の衛生面など、特別な管理をした食肉のみ「生食用」とされています。生食用は価格が高く、少量しかないので、飲食店では新鮮と思われる肉を「生」で提供していたそうです。
生食により食中毒は年々増えています。保護者のみなさんに「生食」の危険性をお伝えする必要があるかもしれません。