「ノロウイルス」感染対策は万全ですか?

秋になると感染性胃腸炎が流行しはじめます。

今年6月には、この胃腸炎の病原菌である「ノロウイルス」に対応するために、「大量調理衛生管理マニュアル」が改正されました。

このマニュアルは、同一食材を使用し、1日300食以上、1日750食以上を提供する大量調理施設用のものですが、感染の拡大が起こりやすい保育所では必須の対応となります。

マニュアルの内容から保育園で行うべきことを簡単にまとめると、

①加熱は85℃1分間以上
②検便ではノロウイルス菌を調べる。
③情報共有を行い、組織的な拡大防止対策をとる。
(汚物処理マニュアルを含め、対策組織図、対策方法を文章化する)

流行する前に、組織的な対応ができるように準備する必要があります。

今年の保健所の衛生指導監査では重点的に「ノロイウルス」に対する指導が行われることになるでしょう。地域の保健所の協力を得て感染症を拡大させない努力をしましょう。

*マニュアルより一部抜粋

・加熱調理食品の加熱温度管理
従来は中心部が75℃で1分間以上まで加熱
→ノロウイルス汚染の恐れがある食品は85℃で1分間以上加熱

・施設において利用者が嘔吐した場合の処置方法
→次亜塩素酸ナトリウムを用いて迅速かつ適切に嘔吐物の処理を行う

・検便検査
→ノロウイルスの検査を受けることが望ましい

・下痢、嘔吐のある調理従事者に対して
→直ちに医療機関を受診し疾患の有無を確認。
→ノロイウルスを原因とする感染性疾患による症状と診断されたら、検便検査において、ウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、食品に直接触れる調理作業を控える。

・衛生管理体制
→乳幼児が利用する社会福祉施設、保育所において、平常時から施設長をトップとする管理体制を整備する。
→感染拡大防止のための組織対応を文章化しておく。
→従業員、利用者において下痢、嘔吐の発生を迅速に把握するために、定常的に有病状者を調査することが望ましい。