友人の勤めている福祉施設で、じゃがいもの芽(ソラニン毒)で中毒がおこったそうです。
原因は
・自分たちで栽培して採取したじゃがいものだったので、芽が出ても捨てることができず使った
・皮むきを入所者が行い、芽がとりきれなかった。
このソラニン毒の食中毒は珍しいことではないそうです。
平成18年7月には、都内の小学校で、理科の実習用に校内で栽培したジャガイモを、調理員が皮付きのまま茹で、それを食べた132人のうち児童75人と教師2人が、腹痛、吐き気、喉の痛み等の症状の食中毒を起こしました。
天然毒の食中毒は毎年、数百件、患者数にすると数千人にのぼります。
山で採ってきたきのこを給食で使うことはありませんが、じゃがいもには注意がひつようですね。
都は下記のように注意をよびかけています。
1 未成熟な小型じゃがいもはメラニンの含有量が多いので、摂食は避けましょう。
2 収穫後のじゃがいもは冷暗所に保管し、日光があたらないようにしましょう。
3 芽や皮はあらかじめ取り除き調理しましょう。
4 緑化した部分は厚くむきとりましょう。
農林水産省も下記の情報を提供しています。
ジャガイモの可食部分は、100 gあたり平均7.5 mg(0.0075 g)のソラニンやチャコニンを含んでいて、そのうち3~8割が皮の周辺にあります。 一方、光に当たって緑色になった部分は100 gあたり100 mg(0.1 g)以上のソラニンやチャコニンを含んでいるといわれています。また、芽や傷のついた部分にもソラニンやチャコニンが多く含まれます。
体重が50 kgの人の場合、ソラニンやチャコニンを50 mg(0.05 g)摂取すると症状が出る可能性があり、150 mg~300 mg(0.15 g~0.3 g)摂取すると死ぬ可能性があります。ジャガイモの食中毒を防ぐには、ソラニンやチャコニンを多く含む芽や緑色の部分を十分取り除くことが大切です。
天然毒の怖さを知っておく必要がありますね。