ノロウイルス食中毒予防

寒くなってくると流行し始めるノロウイルス食中毒。

ノロイウイルス食中毒は、疫学調査から

①生かき等の2枚貝を食べて感染
→汚染されていた貝類を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合。
②食品取扱者からの感染
→食品取扱者が感染しており、その人を介して汚染された食品を食べた場合。
③患者のふん便や吐ぶつから二次感染
→家庭や共同生活施設など人同士の接触する機会が多いところで人から人へ直接感染する。

保育園で、生かきを取り扱うことはないので、注意が必要なのは、②と③です。保育園でのノロイウルス感染の予防対策は、調理室と保育室と家庭が連携して行う必要があります。

調理室では

①中心部まで十分に加熱する。
→食品の中心温度85度1分以上の加熱でノロウイルスの感染力がなくなる。
②器具は、使用後洗剤を使って流水でよく洗い消毒する。
③石けんを使って十分手を洗い、調理、盛り付け時には適切に調理用手袋を使用する。
④残菜は、手で触れないように処理し、残菜を入れた容器は消毒する。
⑤調理担当者が、下痢やおう吐等の症状がある場合は、食品を直接取り扱う作業は絶対に避ける。

保育室では

①子どもの吐き出した食べ物、食べ残しを他の子が触らないように処理する。
②残菜を処理は、使い捨て手袋を使う。
③子どもが体調不良で嘔吐した食品は、残菜と別に取り扱い、調理担当者に伝える。
③保育士が下痢やおう吐等の症状がある場合は、食品を直接取り扱う作業は絶対に避ける。

家庭では

①なるべく、非加熱の食品を避ける。(特に2枚貝)
②家族が、下痢や嘔吐の症状がある場合は、保育園に伝える。
③園児が下痢している時は、必ず保育園に伝える。

平成9年に小型球形ウイルス(ノロウイルス)が「食中毒」と言われたときは、給食に携わるものとしてちょっとした恐怖感がありました。毎年起こる冬の胃腸風邪は私たちのせい?と・・・。

その後、栄養士さんたちは、実際に現場で、器具の洗浄、手洗いを基本として、上記の事項を守ってみて、確実に集団で起こる胃腸風邪が減ったということを実感したようです。

私の友人が働いている老人福祉施設では、冬場に起こる「胃腸風邪による集団入院」が少なくなったということ。反対に言うと「やっぱり私たちが流行らせていた?」という話になります。

アメリカでは20世紀初頭にチフス菌の健康保菌者であるメアリー・マローンが、食品関係の職場を転々とし、チフス菌をばらまいて多数の感染者を出し大きな問題となりました。

給食担当者は、自分の健康管理が重要。便秘症の方が、検便に他の方の便を提出するという問題は、給食現場ではよくある話・・。犬の便を提出して検査にひっかかてしまった!という話も度々・・・・。

給食担当者は、食品衛生に対して高い意識を持ち、自分の健康管理、手洗い、消毒等を適切に行う必要があります。