口腔アレルギー症候群(こうくうアレルギーしょうこうぐん、OAS:oral allergy syndrome)とは、果物や野菜などの植物性食品が、口腔粘膜へ接触することよりアレルギー反応を起こす病態です。
症状は、口の中が腫れたり、イガイガしたり、重篤になることもあります。
原因となる果物・野菜はモモ、リンゴ、ナシ、サクランボ、イチゴ、ビワを中心にバラ科の果物、メロン、スイカなどウリ科の植物などです。原因食品はシラカンバ(シラカバ)などの花粉と交差抗原性があり、共通する高原分子によって発症するそうです。白樺花粉症の患者がりんごをたべると口がかゆくなるのは、その代表例です。
保育園でも特定の果物を食べない子が中にいます。食べたときに違和感があるのでしょう。大人でも口腔アレルギーと気づかず「嫌いな食材」と思い、食べない方もいるようです。アドムの給食セミナーでこの口腔アレルギーについて話があった時も、「もしかしたら?」と言っていた方がいました。
去年の行われたアレルギー学会では、興味深い研究発表がありました。
北海道で今期ビワによる口腔内アレルギー症候群で受診した患者が増加したという報告でした。
原因は
・今春シラカバ花粉が大量に飛散し、その結果シラカバ花粉の感作が進行しOASが進行。
・近年、身近な食材ではないビワを「地産食材」として給食に取り入れたため発症。
近年、花粉症の子どもが増えています。今後、保育園でも口腔アレルギー症候群の園児が増えてくるでしょう。
子どもは食体験を重ねることで嗜好を獲得するので、保育士さんは一口でも食べることができるように食事指導をしますが、子どもたちの食べる機会が少ない野菜や果物を提供する場合は注意が必要です。