牛乳の殺菌方法について

保育園の栄養士さんから問い合わせがありました。

保護者の方から、「園で使っている超高温瞬間殺菌の牛乳は、加熱で栄養価が低いので低温殺菌牛乳の方がよいのでは?」という質問があったということでした。

一部のメーカーは、加熱によるたんぱく質の変性により栄養価が下がると言っているようなのですが、これには間違いがあります。

なぜなら、経口摂取されたたんぱく質は、構成単位であるアミノ酸にまで分解(消化)されてから栄養として吸収されるからです。これはたんぱく質の変性の有無に関係がありません。栄養学的にみれば、たんぱく質の摂取前の変性を語ることに意味がないことがわかります。 カルシウムは200度や300度の加熱では破壊されないことも常識。

味の良し悪しについても、個人の嗜好とその牛乳の味に依存して、殺菌方法だけで問うことは難しいでしょう。

保護者の方から質問をいただいた時に冷静に考えることができればよいのですが、問われると「あれ!?」と思って困ってしまうことがあります。

でも食に興味を持っていただくことはとても良いこと。誠実に答えていきたいですね。