肥満とやせの判定

肥満の判定方法の中で、カウプ指数、ローレル指数が長く使われましたが、最近は、この方法に問題があることが指摘されています。

1)標準値が年齢、特に身長の大小によって異なる特性がある。
2)同じ体格でも、指数によって判定がかわる。

カウプ指数 = 体重(kg) ÷ 身長(cm)2 × 104
13未満でやせすぎ、13以上15未満でやせぎみ、15以上19未満で標準、19以上22未満で太り気味、22以上で太りすぎと判断

ローレル指数 = 体重(kg) ÷ 身長(cm)3 × 107
肥満の判定基準は160以上で一般には120~130が正常。

同じ身長と体重で指数に違いがあることを確かめてみます。

●身長が100cm 体重16.0kgの男の子
カウプ指数 16 (標準)
ローレル指数 160 (太りすぎ)

●身長が110cm 体重16.0kg
カウプ指数 13.22 (やせすぎ)
ローレル 120 (標準)

乳幼児の場合、体重と身長の成長曲線のパターンを検討するのが最も適切な方法であると考えられています。母子手帳に掲載されている成長度判定曲線)

成長曲線のよい点は

1) こどもの身長と体重の増加には一定の規則性があり、この規則性から大きくはずれた体重増加を肥満と考えるべき
2)  日本では、乳幼児(乳児検診)から、学童期(学校保健)で身長、体重を計測するため継続的な曲線をつくることができる。
3) 身長や体重の成長曲線のパターンを用いて肥満している状態を説明することは、視覚的でわかりやすい。
4) 成長曲線を使うことで、肥満の質的な分類ができる。
→子どもの食生活(喫食内容・時間・咀嚼などの食べ方など)や子どもの生活活動(運動など)などと合わせてみることで評価できる。

近年、肥満の幼児、児童の数は横ばいですが、過去30年間をみれば、2~3倍に増えています。肥満予防を意識した栄養管理、指導は保育園で必須です。