食物アレルギーのお子さんが増え続ける中で、多くの保護者の方が「アレルギー予防」に関心をもっています。
アレルギーに関しては、治療を行っているアレルギー専門の医師でさえ、「わからないことばかり!」と言います。
こどもの健康を支援するわたしたちは、「今わかっていないこと。」をきちんと知り、こどものケアを行っていく必要があります。
1 妊娠・授乳中の母親のアレルゲン除去の効果
妊娠中の母親の食物除去→予防効果があるとはいえない
授乳中の母親の食物除去→ハイリスク児の乳児期早期のアレルギー疾患発症に対してある程度の予防効果あり
2 完全母乳、牛乳蛋白加水分解乳による予防効果
完全母乳→予防効果があるとはいえない
牛乳蛋白加水分解乳→予防効果があるとはいえない
3 固形物の開始時期の遅延による予防効果
→乳児期早期の予防にはある程度効果があるといえるが、長期的な予防のエビデンスはない。
生後4ヶ月までに4種以上の固形物を食べた群は、摂取しなかった群に比べて2歳、10歳の湿疹の既往が高い。反対に卵、牛乳を遅らせた群で湿疹や喘息のリスクが高くなるという報告がある。
離乳期のハイリスク児を保育する場合は、医師の指示のもとで予防的介入、ケアを行う必要があります。
今の時期は、新年度に向けて保護者の方から多くの相談や質問を受けます。
栄養士や調理員は
・アレルギーに関する正しい知識を持ち
・医師の診断、指示に従い
・食の専門家として
・食から離れず
・保護者と協力して
・こどもに安全でおいしい食べ物を提供し
・楽しい食生活の支援
をしていくべきです。
近年、入所が低年齢化しており、食物アレルギー対応は必須です。正しい知識を持って、安全なケアを行っていきたいものです。