中毒事例を紹介します。
ご記憶の方もいらっしゃるかもしれませんが、東京都で過去に、お茶に混入したタバコによる「ニコチン中毒」の事件が起こったことがありました。
調理時間外に調理担当者が何気なくたばこを机に置いたことが事の始まりでした。
中毒が起こるまでの経緯
・お茶の追加を頼まれた人が、新しい茶葉を入れるために、やかんの蓋をとってタバコの上に置いた。
(机にタバコが置いてあることに気がつかなかった。)
・蓋の内側は水蒸気でぬれていたため、たばこのセロハンが蓋にくっついた。
・やかんに蓋を戻した。(タバコが蓋にくっついていることに気がつかなかった。)
・ 蓋にはりついていたタバコがお湯に落下。
・お茶の葉と一緒にたばこを煮たために、ニコチンが溶け出た。
この茶を飲んだ人が、飲んだ直後に吐き気、嘔吐、立ちくらみ、めまいなどを起こしました。
もちろん厨房で喫煙していたわけではないのですが、タバコを持ち込んだために中毒事件になってしまいました。そもそも厨房にタバコを持ち込むことは常識ではあり得ないことですが・・。
この事例は論外ですけれども、私も似たようなプロセスでヒヤリとしたことがあります。
・ボールペンについているクリップ
・輪ゴム
・ふきんの糸くず
・調理員さんのめがねの小さなねじ
・調理員さんのボタン
私が今までに経験したものです。
この他に、今回と同じような経緯でお菓子袋が料理に混じってしまったことがあります。机の上の「未満児に提供したお菓子」が置いてあり、それが鍋の蓋の裏にくっついていることに気づかず、蓋を戻したためにお菓子がにんじんの甘煮に入ってしまったのです。
この時は、お菓子袋が溶けた可能性があるので全て廃棄しました。
緊張感をもって厨房の整理整頓、身支度をする必要があります。