第8回の食物アレルギー研究会で次のような報告がありました。
乳の表示がないパンを食べた小2男児がアナフィラキシー症状を起こした事例の問題
1 製パン会社が5年間制度を誤認して特定原材料の表示を怠っていた。
2 通報を受けた保健所が厚生労働省に報告せず、指導していた。
3 保健所の対応は厚生労働省が示す「有症苦情への対応」に反していなかった。
食物アレルギー研究会はこの事例が、表示の実効性確保されていないことをあらわしている。として制度の改善を厚生労働省に提案しました。
これが機になり厚生労働省から平成20年に「アレルギー表示制度の徹底について」と題する通知がだされ、特定原材料の究明のための検査方法、結果、処分について、また有症事例での説明義務が明確になりました。
これが製造業者に対して周知徹底されることで、事故が減ることが期待されますが、実際は減っていません。
埼玉県衛生研究所が、小学校でアレルギー児童に提供された食材の混入実態について調査した結果では、混入が複数あったと報告されています。
原因の中には、メーカーの製造工程上の問題に起因するものがあります。
平成13年に表示制度ができて8年が経ちますが、この制度が適正に運用されるにはまだ時間がかかりそうです。
低年齢児が通う保育園には食物アレルギー患児が多くいます。
加工食品の有症事例の多さを見ると、「表示に間違いがある、製造過程でコンタミネーションの可能性」がある加工食品は、保育園では避けるべき!ということになるでしょう。
素朴でも、手作りの料理が一番!ということです。