ビタミンAの過剰摂取

この時期は、アドムへの栄養に関する質問が増えます。

5月に監査資料の提出を求められる保育園さんが多いためだと思います。

監査資料を作成するときに一番気になるのは、ビタミンAの値。

心配になる理由は

・食事摂取基準から算出した目標値を100%とすると200%を超えることがある。
・ビタミンAは食事摂取基準で上限量が定められている。

ビタミンAの過剰症は頭蓋内圧亢進、皮膚、毛の落脱、筋肉痛、頭痛、奇形、肝臓障害などで知られています。過剰摂取で問題がでるのでは?と心配になるわけです。

ビタミンA(レチノール当量)=レチノール+カロテノイド(βカロテン+αカロテン+βトリプトキサンチン)

レチノールは肉類にカロテノイドは野菜に多く含まれます。

上限量が決められているのは、肉類に含まれるレチノールです。

野菜のカロチノイドは全く無関係。カロテノイドのプロビタミンAとしての過剰摂取は知られていないので、上限値の算出にはカロテノイドは含まれていません。

上限値があるのは、肉類に含まれるレチノールですが、保育園の食料構成(食品群別摂取量)では多くても20g以下が目標値となっているので、レチノールのとり過ぎも全く考えられません。

ビタミンAの値が目標値に対して200%という数字になることがあっても、全く問題がないのです。

これで心配いらないことがわかります。

保育園には栄養士さんがいないところもあります。給食に関する監査を受ける場合は、栄養の知識を得るために積極的に質問してみるとよいかもしれませんね。