食物アレルギー研究会

2月13日(土)食物アレルギー研究会に参加しました。今回は「食物アレルギーに対応した給食管理ソフトの開発」ということで発表しました。わんぱくランチのユーザーも多数参加されていました。

今回の研究会の大きなテーマは、「食物アレルギー児の保育園での管理」。全国調査の報告に始まり、保育園でのアレルギー対応について活発な議論が行われました。

焦点は、現在厚生労働省で作成されているガイドラインの中心となる「生活管理表」について。生活管理表は、今後医師の診断書(指示書)に変わるものです。

会場では、生活管理表の内容について下記の点について議論されました。

・除去食品項目
・除去根拠
・医師が記入する負担!(専門医の少なさ)
・記載内容が保育園で理解され正しく使われるかどうか!

保育園でのアレルギー対応は、症状をコントロールして、除去によって成長発育に問題がないように栄養ケアを行うことが目的です。間違った診断や、知識が不十分な保護者の意向でアレルギー対応を行うことがないよう、今後は生活管理表をもとに対応することになります。

しかし、管理表には「保護者との相談」という項目があり、これが「医師の指示を元に、保護者の意向を取り入れなければならないことにつながらないか!」という心配の声も上がっていました。

生活管理表の内容については、今回の研究会の意見もとりいれながら日本小児アレルギー学会食物アレルギー研究会と研究班において今後も検討されるそうです。

大筋で決まっている基本方針は
・診断、除去の指示は生活管理表を用いて医師が行う
・解除は保護者の申し出により保育園で対応する

低年齢児で未摂取食品のIgEが高い場合、除去となるケースがありますが、この解除を毎回医師の指示で行うのは、労力がかかりすぎ、返って不必要な除去を長引かせる恐れがあるとのことです。

厚生労働省は4月に向けてガイドラインを提示したかったようですが、海老澤先生の話では検討項目が多く間に合わないようです。ガイドラインが示された後は普及や啓発活動が行われることになります。私も積極的に学び、みなさんに伝えていきたいと思っています。

わんぱくランチのアレルギーバージョンについては、ガイドラインが示され実施のされる段階で、保育所におけるリスク管理、情報共有ツールとして役立つと評価していただきました。