離乳食の果汁について

乳児院に勤める栄養士さんから離乳開始前の果汁について相談をいただきました。

「離乳食開始前に、スプーンを使って果汁を提供することに意味がないことを、園長や保育士さんがわかってくれない。与え続けている。」と・・・・。

今までやってきたことを変えるには、きちんとした根拠をしめし、説明をする必要があります。

「授乳・離乳の支援ガイド」(2007年厚生労働省)では、それまでの【離乳準備】という考え方がなくなりました。

従来は、下記の2点について準備が必要だと明記されていたため、乳児院、保育所でも実施してきました。

①果汁指導
  目的・水分補給、乳汁と異なった風味に慣らす

②スプーン指導
   目的・スプーンで飲む練習

しかし、改訂では下記の理由で、削除されています。

①の果汁については、栄養学的根拠がなく、かえって必要な母乳やミルクの摂取量が減ってしまう可能性がある。

②のスプーンについては、乳児の「押し出し反射」が衰退する5ヶ月過ぎに使い始めるべきである。この反射がなくなれば、容易にスプーンで摂取できるようになる。

アメリカでは、小児肥満の問題などから「果汁は6ヶ月まで与えてはいけない。」と明確に打ち出されています。

離乳開始前にスプーンで果汁を提供することは、とても労力がかかることです。この園は、子どもに対してとても愛情が深く、食を大切にする乳児院なのだと思います。

みなさんで、ガイドラインに目を通していただくとよいのではないでしょうか?

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/s0314-17.html