わんぱくランチユーザーから、「バナナの切り口が黒くなってしまうのを防ぐ方法はある?」というお問合せをいただきました。
今回は、私が現場で行っていた方法をご紹介します。
そもそも、バナナが黒くなるのはなぜ?
これは、「褐変」と言われる現象です。
バナナの場合は、皮をむくことにより、バナナに含まれるクロロゲンやタンニンなどのポリフェノール類と酵素が空気と反応して、メラニンという褐色物質ができることで黒くなります。食べても問題はありませんが、見た目が悪いので、給食では褐変を防ぐ必要がありますね。
■褐変を防ぐ方法は?
褐変を防ぐ一般的な方法は
1 レモン水につける
2 砂糖液につける
3 空気にふれないようにする
果物の褐変を防ぐ時には、酸性に保つためにレモンをかけたり、柑橘系100%ジュースに漬けたりします。しかし、酸味はバナナとの相性が悪く、子どもが嫌がることがあります。
バナナの場合は、「砂糖液(シロップ)につける」又は「空気に触れる時間を極力短く」します。
■以上児さんに提供する方法
下処理の手順は
・バナナを1本ずつにする
・1槽目→流水の中で、1本ずつスポンジを使って洗う
・2槽目→流水で洗う
・3槽目→流水で洗い水をきる
両端を落とした後で、1人分に切り分けます。その際には、切ったところ同士をくっつけて、一本にもどすような感じにして、空気に触れないようにし、クラスごとにラップをかけます。
以前、訪問した園では、バナナの皮の一部を切り落とさないことで、切ったバナナが離れないように工夫されていました。
以上児さんは、自分で皮をむいて食べることができるので、切り口の褐変を防ぐことが大切ですね。
■未満児さんに提供する方法
未満児さんには、細かくして提供する必要があります。
切ったバナナの褐変を防ぐためには、砂糖液に漬けたり、バナナに果物缶を追加してシロップ漬けにする方法もありますが、余分な糖分を添加してしまうことになります。
子どものことを考えると、保育士さんにその場で切って提供してもらうのがベストです。
褐変を防げるだけでなく、個々の子どもの咀嚼嚥下の発達に合わせることができるので一石二鳥です。
方法は、バナナの皮の一部をむき、残りの皮をお皿がわりにして、スプーンで細かく切りながら、子どものお皿に盛りつけます。
厚みは子どもに合わせて調整し、必要な場合は、子どもの咀嚼・嚥下の発達に合わせて、切ったバナナを手袋で少しつぶします。
子どもたちが食べる時に盛り付けるので、黒くなる心配はありません。やり慣れると、驚くほど簡単です。
保育園で7年働いていた他のスタッフも同じ方法で提供していたとのこと。保育園ならではの、提供方法ですね。