今日のテーマは、「砂糖」です。
わんぱくランチユーザーから、「サンプル料理の中のフレンチトーストの残菜が多かった。何故だろう?」というご質問を頂きました。
早速、この疑問に答えるために試作をしたところ、甘さが控えめのフレンチトーストが出来上がりました。
レシピ
- 食パン 8枚切2分の1枚 25g
- 卵 15g
- 牛乳 20g
- 砂糖 3g
作り方
- 卵、牛乳・砂糖を混ぜて、適宜切った食パンを浸して、180℃のオーブンで10分程度焼きます。
このレシピは、パンを浸す液体が多いため、パンプティングのような出来上がり。大人が食べれば、甘さが控えめでおいしく食べることができます。
実際に、今回試作した際にも、スタッフ一同おいしく食べることができました。
しかし、ご連絡いただいた園では、残菜が多かったとのこと。子どもにとっては、経験のない食感と味の組み合わせで、「甘くない、ベチョっとしたもの」と感じたのかもしれません。
確かに、市販の菓子パンや、一般的なフレンチトーストのレシピに比べると、格段に甘さ控えめです。
このレシピの改良に挑戦しました!
改良の方向性としては、将来の虫歯、糖尿病予防のことを考えると、安易に「砂糖の量」を増やすことはできません。
試作では、材料の卵、牛乳・砂糖の量を調整しながら、甘味を効かせるレシピを目指しました。
試作を重ねた結果、、、、
なんと!砂糖の量が3gから1gに減りました。
私は、減糖をめざしていたわけはありません。
一番、おいしかったのが、3分の1の砂糖しか使っていないレシピだったんです。
改良した点は
舌で最初に甘みを感じることができるように表面に砂糖を使用(砂糖はグラニュー糖に変更)
甘味を強く感じるように液量(卵・乳)を減らす。
バニラエッセンスで風味をつける
新しいレシピ
- 食パン 8枚切2分の1枚 25g
- 卵 8g ←15g
- 牛乳 10g ←20g
- グラニュー糖 1g ← 砂糖3g
- (バニラエッセンス)
作り方
- 卵に牛乳、バニラエッセンスを混ぜる。
- 食べやすく切った食パンに2の液をつけて鉄板に並べる。
- グラニュー糖をかけて、180℃のオーブンで8分程度焼く。
新しいレシピでは、液量を減らしたので、“べチャッとした食感”がなくなりました。
グラニュー糖を最後にかけてから焼くことで、表面のグラニュー糖が焼けて香ばしく、さらに、“食パンのもともとの塩味”と“グラニュー糖の甘味”のバランスがよく、甘さが際立ち、3分の1の量の砂糖(グラニュー糖)で、きちんとした甘さを感じることができました。
甘くないスイカに塩をふった時のようにな「味の対比効果」。砂糖1gが最適な量だったというわけです。
また、バニラエッセンスを加えたことで、風味が豊かになり、フレンチトーストとしておいしく食べることができるようになりました。
ちなみに、上記のレシピでは、牛乳を豆乳に変えてもおいしく食べることができました。
さいごに
研究所では、保育園給食の減塩・減糖のためのレシピ改訂を日々行っています。
その時に大切にしていることは、食材の持つ甘味、塩味をまずは確認してから味をつけることです。
食材にはもともと甘味・塩味があります。ほとんどの食材に糖とナトリウムは入っています。
今回も、食パンは塩味が強く、そのまま食べることができるもの。フレンチトーストにするのにどれぐらいの甘みが必要なのか!というところが出発点でした。
料理についても同じで、加熱した際に、今日の野菜の味を確認して、必要な調味料とその量を決めることが理想的だと思います。
ただ、そんなことは、忙しい調理現場では難しいので、まずは、少し控えて味をつけるところから始めてみてください。「あれっ?これでおいしく出来た!」ということが起こりますよ。
研究所では、毎日こんなことを繰り返しながら、料理の改訂を行っています。
保育園給食のレシピを試作する中で、新しい発見がたくさんあります。減塩・減糖は大きな課題ですが、楽しみながら挑戦していきたいと思います。