こんにちは。子どもの食事研究所 所長の佐橋ゆかりです。
先日、名古屋市民間保育園連盟の研修会に参加させて頂きました。いつもは、セミナーを企画する立場ですが、今回は、保育園の調理担当の先生方と一緒に楽しく学ばせていただきました。
セミナーの内容は、スチームコンベクションオーブンを使った調理講習会。季節の合った5品のデモンストレーションを見て、実際に試食。スチコンメーカーの(株)コメットカトウのクッキングアドバイザー上原先生から教えて頂きました。
<デモ料理>
・豆腐のかりんとう
・ひじきの彩サラダ
・花しゅうまい
・夏野菜のラタトゥイユ
・ソーメンチャンプル
名古屋市民間保育連盟では、「食育」のために定期的に料理を学ぶ研修会を開催しているそうです。
乳幼児期の食育で大切なことは、「食べる体験」を積み重ねて、嗜好を獲得していくこと。調理担当者の調理技術の向上は、子どもの食育に直結する、とても大切なことです。
今回は、このセミナーの中から、、、
私が「スチコンの特性を活かしたおいしさ」を感じた、ひじきの彩サラダをご紹介します。 (メニュー提供:コメットカトウ)
■ひじきの彩サラダ
ポイントは、ひじきだけを調味料で煮て、加熱後にスチームした他の具材を加え、冷ましながら、味をなじませるところです。
これにより、、、
・ひじきだけに調味するため、野菜の水分で煮汁が薄まることなく、海藻の臭みを消すことができるため、減塩につながります。
・スチームで引き出された野菜のうま味をそのまま味わうことができます。
材料 1人可食量
【具】
ひじき(30分浸水) 2.5g
鶏ささみ 10g
人参(せん切り) 5g
枝豆(むき) 6g
パプリカ(細切り) 3g
コーン缶 6g
【ひじきの煮汁】・・合わせて沸かしておく
だし汁 13g
砂糖 2g
しょうゆ 4.5g
みりん 3g
サラダ油 2.5g
酢 1.2g
(保育園で提供する場合は、だし汁、調味料は半量でもおいしく食べられると思います。)
作り方
1 鶏ささみとにんじんは、スチームモードで8分加熱し、鶏ささみは、加熱後にさいておく。
2 枝豆、パプリカ、コーンはスチームモードで4分加熱する。
3 水気をきったひじきと、沸かした調味料を合わせ、オーブンシートで落とし蓋をして、スチームモードで12分加熱する。
4 3のホテルパンに全ての具材を入れて混ぜ合わせて冷却し、味をなじませる。
■保育園における食育
給食は、子どもにとって「食べる食育教材」です。
調理の工夫は、
・おいしさをはじめ、見た目等、五感への良い影響を与える
・栄養を逃さず摂取できる
など、子どもの健康につながります。
名古屋市民間保育園連盟のセミナーを担当している稲葉地保育園の園長奥村先生は、「おいしい料理を作ってもらいたい。」とおっしゃいます。
実は、奥村先生とは、16年前に調理担当者向け「食育セミナー」を一緒に開催したことがあります。食育基本法ができる前の話です。先生は、いち早く、子どもの食のあり方に問題意識を持って取り組んでおられました。
その時、私がお話した内容は食育教材の作り方について。そのころは、子どもが楽しみながら食べ物に関わることができるよう、食育用のエプロンショーやカードゲームを企画していました。いわゆる知識や体験、価値観などが健康行動に影響するというKABモデル(知識・態度・行動モデル)に基づく食育を実践していました。
しかし、時を経て、今は子どもの食育でいちばん効果があるのは「おいしくて、子どもがよく食べる健康な料理」を食べさせることなんだなという実感をもっています。それが今、奥村先生とまったく同じ気持であったことに驚きました。
16年ぶりにお会いして、「アドムさんも頑張っているね!」と言って頂き、とてもうれしかったです。
わんぱく子どもの食事研究所も7月5日、6日の2日間、東京池袋で、「給食セミナー(スチコン調理)」を開催しました。
研究所でも、引き続き保育園のニーズに合った調理技術の研究、レシピの開発を行っていきたいと思っています。
*弊社のセミナーの内容については、後日お伝えいたします。